
交通事故の被害に遭って怪我を負ったが、加害者が少年だった場合、少年にどこまで責任を問えるのか、少年の親に対しても賠償の責任を問えるのか、が問題となります。
このページの目次
1 少年の刑事責任
少年が自動車やバイクや自転車等を運転して事故を起こし、被害者に怪我を負わせてしまったら、過失運転致傷罪等が成立する可能性があります。
しかし、少年が20歳未満であれば少年法が適用され、原則として成人とは異なる手続きが行われます。
警察や検察の捜査・取調べは基本的に成人事件と同じなのですが、全て家庭裁判所へ事件が送られます。少年やその家族に対して聞き取りが行われ、調査されます。非公開の法廷で審判が開かれ、保護処分として少年院送致や保護観察等が判断されます。成人と同じ刑事裁判を受けることは基本的になく、よほど悪質性や被害が大きい場合に限られます。少年審判では、懲らしめとしての刑罰ではなく、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うことを目的とされます。
加害少年の更生という側面が強調されると、被害者は置き去りにされてしまいかねません。被害者も弁護士に相談・依頼し、適切な対応を求めていく必要があります。
2 少年の民事責任
少年には、刑事責任とは別に民事責任が問題となります。
民法第709条では、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定されております。
民法第712条では、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」と規定されております。
自動車やバイクを運転した中学生以上の年齢であれば、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていると基本的には判断されます。そうなると、少年に賠償能力がなかった場合、被害者は十分な賠償を受けられなくなってしまいます。
3 親の民事責任
民法第714条では、「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。」と規定されております。
しかし、事故を起こした子供が中学生以上であれば、責任無能力者がその責任を負わない場合には当たらないので、親が損害賠償義務を負わない、ということになるのが原則となります。そうなると、子供に支払い能力が無ければ、被害者は泣き寝入りになってしまう可能性があります。
ただし、18歳未満の未成年の子供が普段から自動車やバイクで問題行動を繰り返し、親がこの状況を把握しているにも関わらずきちんとした監督をしていなかった場合、親の監督義務違反が別途不法行為となり、損害賠償義務を負うことになることがあります。個別具体的に判断されるので、詳しい検討が必要になります。
4 弁護士に相談してください
交通事故に遭われたとしても、加害者が子供だった場合、刑事・民事での責任追及は難航してしまう可能性があります。被害者側としても、迅速で慎重な対応が求められます。早期に弁護士に相談し、今後の対応を慎重に検討しなければなりません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、このような被害者対応に精通した弁護士が多数在籍しております。初回相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡・ご相談ください。今後の対応について正しい判断が必要となりますので、お早めにご相談ください。
