子どもが交通事故の被害に遭ったらどうする?加害者への責任追及と保護者が取るべき対応を解説

事故

子どもが交通事故の被害に遭ってしまった場合,保護者としてどのような対応をとるべきでしょうか。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事例

高校2年生のAさんは,自転車に乗って下校する途中に,交差点でBさんが運転する車と衝突し,転倒しました。事故の直後は目立った怪我がなかったこともあり,声をかけたBさんに対し,Aさんは「大丈夫です」と答えました。Bさんはそのまま現場を後にしましたが,帰宅後,Aさんは首のあたりに痛みを感じました。家族に事故のことを話して病院に行ったAさんは,全治2週間の打撲傷の診断を受けました。
(この参考事例はフィクションです)

参考事例の解説

交通事故が起きた場合,加害者だけでなく,被害者の側も突然のことで動揺していることがほとんどです。そのため,参考事例のAさんのように,警察への通報や加害者との連絡先の交換をしないままにしてしまうことも少なくありません。

もっとも,参考事例のBさんは,本来なら刑事処罰に問われる可能性が高いといえます。

まず,衝突事故を起こしてAさんに全治2週間の怪我を負わせたことについては,過失運転致傷罪が成立するといえます。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律は,第5条で「自動車の運転上必要な注意を怠り,よって人を死傷させた者は,7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処する」と定めています。参考事例からは具体的な事情までは明らかになっていませんが,自転車に乗っているAさんと衝突事故を起こしていることから,Bさんには過失が認められる可能性が高いといえます。

Bさんは事故を起こした後にそのまま現場を去っているため,いわゆるひき逃げの罪が成立する可能性も高いといえます。人身事故が起きた際,道路交通法は運転者に負傷者の救護等を義務づけています(同法72条1項)。運転者がこの救護義務に違反した場合は,「10年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」が罰則として定められています(同法117条2項)。
ひき逃げの詳細な解説については,こちらの記事もご参照ください。

加害者を特定するためには

ここまで述べたとおり,人身事故を起こしてそのまま現場を去ってしまったBさんには,決して軽くない刑事責任が科せられます。
また,怪我をしたことによって生じた治療費や通院費,慰謝料なども民事上の損害賠償として加害者に請求することができます。後の損害賠償請求に備えて,事故後はできるだけ早く医療機関における受診を行い,診断書を取得しておくことが大切です。

参考事例のAさんのように,警察への通報や加害者との連絡先の交換をしていない場合にも,刑事処罰や民事上の損害賠償を求めることは可能でしょうか。
結論から述べると,このような場合にも加害者に法的な請求を行う余地はあります。法的な請求を行うためには,まずは加害者の特定が必要になります。最も確実な方法は,警察にひき逃げ・過失運転致傷事件として,被害届を提出することです。

事件を受理した警察は,現場での目撃者を探したり,周辺の防犯カメラ映像を確認したりといった捜査を開始します。事故からさほど時間が経っていなければ,それだけ証拠が残っている可能性が高くなり,早期に加害者を特定しやすくなります。
実際のひき逃げ事件においても,現場を離れた加害者が,事故後の捜査によって特定されています。

加害者が特定された後の流れ

捜査によって特定された加害者は,警察による取調べを受けることになります。ひき逃げ事件の場合は,加害者が逮捕・勾留されて身体拘束を伴うこともあります。加害者の最終的な刑事処分は検察官が決めます。怪我の程度によっては,前科がない初犯の場合でも,正式な刑事裁判になることも少なくありません。

損害賠償の請求は,刑事手続とは独立して進みます。加害者が任意保険に加入している場合は,保険会社が窓口になります。大人同士の交通事故の場合は,双方が加入している保険会社同士で示談交渉をすることが大半です。被害者が未成年者の場合は,保護者が加入している保険の特約が適用されることもありますが,そうでない場合は,加害者側のみ保険会社が窓口となります。

子どもが交通被害に遭った場合は弁護士に相談を

参考事例のAさんは比較的軽傷で済んでいますが,ひき逃げ事件は時として死亡や重篤な後遺障害といった,甚大な被害結果をもたらすこともあります。加害者の刑事責任損害賠償額を決定するにあたって,加害者との示談の有無やその内容は,大きな影響をもたらします。加害者側の保険会社が提示する示談金額を了承した場合,それ以上の賠償を得ることはできません。加害者側の弁護人からの申し入れについても,刑事処分の結果を左右することになります。

加害者の法的責任の結果に大きく関わる示談にあたっては,被害者側も法の専門家である弁護士に依頼をすることが重要です。弁護士がついていれば,示談交渉をより納得のいく方向に持っていくことができますし,示談をした場合の具体的な影響についても説明を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合事務所では,刑事弁護で培った経験を活かし,交通被害に遭われた方を支援します。子どもが交通事故に遭ってしまった場合は,まずは弊所までご相談ください。刑事責任を問うにしても,民事上の損害賠償を求めるにしても,弁護士への早期の相談が鍵となります。
弁護士による初回の相談は無料で実施しておりますので,子どもの交通被害にお悩みの方は,まずは一度ご連絡ください。

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