器物損壊

器物損壊

被害者の方は、財産的損害だけでなく、大事なものを壊されたことによる精神的なダメージも大きいかと思います。

また、被害の回復だけでなく、加害者に刑事処罰を受けてもらいたいと考えている被害者の方々もいるかと思います。

そのような方に向けて、主に必要な手続きや対応などをご紹介します。

捜査・裁判への関与の仕方

1 事件発生の通報・証拠保全

器物損壊の相談で多くあるのは、店の看板や備品を壊された、停めていた自動車を傷つけられた、家などの鍵穴にボンドなどを入れられて使えなくされたというものです。

まずは、被害状況を明確にするために、壊されている状況を写真などにとっておきましょう。

お店やマンションなどであれば防犯カメラが設置されており、犯行状況が映っている場合が多いため、被害に遭った場合には、まずは防犯カメラを確認することが重要です。

一方、防犯カメラが設置されていない場所での被害であれば、犯罪や犯人特定に至る証拠を集めることは難しいといえます。そのような場合には、付近住民の方に聴き込みをしたり、目撃者を探したり、証拠収集を被害者の方だけで行うことは大変な労力と時間を要することになります。

そのような場合には一人で悩まず、証拠収集などに詳しい弁護士に相談し、弁護士と一緒に証拠収集を行って行くのがよいでしょう。

また、被害に遭った場合には、できる限り早く警察に器物損壊の被害届を出しましょう。警察に届け出ることで警察の組織力を生かした証拠集めをしてくれたり、後に証拠が出てきた際に被害を証明しやすくなったります。

器物損壊被害に遭った場合にまず行うべきこと

  • 被害状況が分かる写真などを撮る
  • 警察に被害を届け出る
  • 防犯カメラなど器物損壊の被害を証明できる証拠を集める

※詳しくは、「犯罪被害に遭った場合の対処方法」へ
※詳しくは、「犯人を見つけて逮捕してほしい」へ

2 取調べ(事情聴取)、実況見分の立会い

器物損壊の被害を警察に届け出て捜査が開始された場合、警察の事情聴取や実況見分への協力が求められます。

どこで何をどうされたのかについてはっきりと答えられるように、警察に話を聞かれる前に準備をしておくことがスムーズにいく秘訣です。

また、たとえばお店の看板を壊されたという事案であれば、〇月○日〇時までは壊されておらず、〇月日〇時には壊されていたというように、被害日時の特定が重要になってきますので、できる限り日時についても伝えることができるようにすることが必要です。

写真などを撮っていれば、写真に日時が記載されている場合も多いので、被害を発見した場合には早めに写真などを撮っておくのが良いでしょう。

警察の捜査はどのようなものが行われるのか、どのように対応したらよいのかについて、被害者支援に詳しい弁護士が丁寧に説明しアドバイスも行いますので、少しでも不安がある方は弁護士にご相談下さい。

※詳しくは、「犯人を見つけて逮捕してほしい」「取調べ(事情聴取)や裁判へ一人で行きたくない」へ

3 告訴

器物損壊罪は親告罪です(刑法261条、264条)。

親告罪とは、告訴がなければ起訴できない罪のことです。

親告罪には告訴期間が設けられており、犯人を知った日から6か月以内に告訴をする必要があります(刑事訴訟法235条)。

警察に被害を届け出た際に告訴をすることもできますが、告訴を受理した場合、警察は捜査を開始する義務が発生するため、告訴の受理に消極的な場合があります。

告訴を受理してもらうためにも証拠収集が大事ですし、告訴状を弁護士に作成してもらうことで告訴受理をしてもらいやすくなります。

特に犯人を処罰してほしいという場合には必ず告訴が必要となりますので、告訴の手続や告訴状の書き方など弁護士にご相談ください。

4 証人として法廷に立つ

器物損壊事件では犯人が正式な裁判にかかるのはそれほど多くありませんが、犯人として疑われている人が犯行を否認している等の場合には正式な裁判にかけられる場合もあります。

正式な裁判では被害者の方を証人として裁判に出廷してもらい、証人尋問を受けてもらうこともあります。

※被告人や傍聴人に見られたくない方、一人では心細い方は、「犯罪被害を秘密にしたい」「取調べ(事情聴取)や裁判に一人で行きたくない」へ

被害の回復

1 示談

器物損壊罪は親告罪のため、犯人側から示談の申入れがあることが多くあります。

示談を受けるメリットは、相手方から早期に弁償金を支払ってもらえたり、今後の相手方との関係性についての条件を設定することができたりすることですが、相手方との交渉を行う必要があるため、精神的につらくなる場合があります。

また、示談のデメリットとして賠償を受け入れるということは加害者を許していると考えられ、相手方が罪に問われなくなってしまうということが考えられます。

示談における示談金については、損壊された物の値段や修理代をベースに、使用でなかった期間における利益なども加味されたものとなることが一般的です。

たとえば、車を傷つけられた場合に、修理代が20万円ほどかかっていれば、示談金としては30万円から50万円ほどで交渉していくことが多いと思われます。

示談交渉や示談の内容については、弁護士が詳しく知っていますので、相手方から示談交渉の連絡があった場合には、まずは弁護士にご相談ください。

※詳しくは、「話し合いで解決したい(示談・和解で解決したい)」へ

2 民事訴訟

相手方に直接賠償を請求する方法として民事訴訟を提起することが考えられます。

しかし、民事訴訟において被害や損害額を証明する責任は被害者の方にあるため、民事訴訟では時間や労力が多くかかってしまう傾向にあります。

また、民事訴訟で認められる賠償額は示談で得られた賠償額よりも低くなることもありますので、その見通しなども含めて弁護士に相談されることをお勧めします。

加害者が暴力団の場合

今後の被害防止のためにも、専門家に相談することが重要です。

<連絡先> お住まいの警察本部・警察署、暴力追放運動推進センター

マスコミ対策

※詳しくは、「マスコミ対応をしてほしい」へ

器物損壊の被害を受けた場合には、ほとんどの場合公的支援制度を使えません。そのため、個人の力では十分な被害回復が出来ないということになりかねません。

加害者へ反省と賠償を行ってもらうためにも、一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士に相談して、事件解決の力になってもらいましょう。

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