結婚詐欺、ロマンス詐欺

結婚詐欺・ロマンス詐欺被害に遭った場合

結婚詐欺やロマンス詐欺は、被害者の方の純粋な恋愛感情につけ込んだ悪質な犯罪です。

被害者の方は、金銭的な損失だけでなく、精神的にも大きなダメージを受け、人間不信に陥ってしまう場合もあるでしょう。

また、逆に加害者のことを最後まで信用して守ってあげたいと思われるかもしれません。

しかし、加害者はそのような被害者の方の優しさをも踏みにじっているのです。同じような被害に遭う方を増やさないためにも、加害者に責任をきちんととってもらうことが必要です。

結婚詐欺やロマンス詐欺と言った被害者の心を弄ぶ犯罪の被害に遭われた方のために、主に必要な手続きや公的支援などをご紹介します。

結婚詐欺とは

結婚詐欺とは、結婚する気がないにも関わらず、結婚する意思があるように見せかけて異性を騙し、金銭を受け取ったり、返済する気もないのに金銭等を借りたりする詐欺行為のことです。

最近では、婚活パーティーや男女が相席する居酒屋やラウンジなど男女が出会う場所、また、婚活・恋活・出会い系サイトやマッチングアプリなどネット上で、「婚活詐欺」や「恋愛詐欺」という形で行われるケースも増えてきています。

婚姻意思や恋愛感情があるように装って相手を騙し金銭等の交付を求めているので、れっきとした詐欺にあたります。

人の感情をもてあそんでいる点で、詐欺の中でも悪質性が高いといえるでしょう。

ロマンス詐欺

ロマンス詐欺とは、「国際ロマンス詐欺」や「国際恋愛詐欺」とも呼ばれ、主にSNSやマッチングアプリなどインターネット上の交流サイトで知り合った海外の相手を言葉巧みに騙して、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる詐欺の一種です。

従来は軍人や紛争地域で活動している医者などを騙ることが多かったようですが、最近はハリウッドスターなどの著名人を騙ることも多くなっているようです。

ロマンチックな言葉を巧みに使って恋愛感情をあおり、日本に行くための渡航費や滞在費名目で送金をさせたり、海外投資を一緒にやろうと持ち掛けてビットコインなどの仮想通貨を送金させるなどの手口が多くみられます。

身分証など写真付きの証明書を示してくる場合が多く、実際に会うことができないインターネット上のやり取りであるにも関わらず、信用してしまうように巧みに誘導してきます。

結婚詐欺と同様に、恋愛感情を弄んでいる点で悪質ですし、インターネットという仮想空間を利用していることで、犯人が逃げやすい環境にあるため、今後も被害が拡大するおそれのある犯罪です。

捜査・裁判への関与の仕方

1 事件発生の通報・証拠保全

結婚詐欺やロマンス詐欺の場合、初期の段階では騙されていることに気が付けないことがほとんどです。

実際に被害に気付くのは多額の送金をした後に相手と連絡が取れなくなったり、何度も同じような理由で金銭を要求され要求される金額がだんだんと高くなってきたりした段階でしょう。

そのような段階では犯人を特定することが困難を極める場合が多いため、被害に気が付いたらすぐに警察に被害を届け出て捜査をしてもらうことが重要です。

また、本当に相手を信用してもよいのか少しでも不安に感じた段階で、第三者に意見を求めましょう。客観的に状況を判断してくれる弁護士に相談すれば、その後の詐欺被害を未然に防げたり被害の特定や被害申告の手伝いをしてくれます。

結婚詐欺やロマンス詐欺の事件では、警察が恋愛感情のもつれであるとされて真剣に取り合ってくれないという場合や詐欺の証拠が少ないとして被害届を受理してくれないという場合も多くあります。

被害に遭って精神的にダメージを負っているにもかかわらず、そのような対応を取られると更なるダメージを負ってしまうことになりかねません。

まずは弁護士に相談して、証拠を集めてもらったり、被害届や告訴の提出を手伝ってもらったりして、早期に捜査を開始してもらえるよう働きかけを行っていきましょう。

最近では、やり取りの履歴が残らない「テレグラム」というアプリを使用する場合も増えてきています。やり取りの履歴は重要な証拠となりますので、消えてしまう前にスクリーンショットなどでやり取りを保存しておきましょう。

※詳しくは、「犯罪被害に遭った場合の対処方法」へ
※詳しくは、「犯人を見つけて逮捕してほしい」へ

2 取調べ(事情聴取)、実況見分の立会い

警察の捜査が開始されると、事件の内容について事情聴取が行われます。

事情聴取では、恋愛感情を持つに至った経緯やご自身の恋愛遍歴などプライベートな内容にまで踏み込んだ聴き取りが行われることが多く、恋愛感情を踏みにじられて精神的に落ち込んでいる中でさらに追い打ちをかけられることにもなりかねません。

弁護士がついていれば、被害者の方の気持ちに配慮した事情聴取を行うように要請することができますし、被害者の方に付き添って事情聴取を受けたり、被害者の方の気持ちを書面にして提出する等、被害者の方の負担を軽減する様々な活動を行ってくれます。

また、被害場所の特定のためなどとしてご自宅や職場などに警察が実況見分に来る場合もあります。被害者の方にとっては、被害を周りに知られてしまうのではないか等不安に思われる場合も多いと思います。

そのようなときにも弁護士を通じて警察であることが分からないように実況見分を行うように要請したり、弁護士が証拠を収集して警察に提出するなどの活動ができます。

※詳しくは、「犯人を見つけて逮捕してほしい」「取調べ(事情聴取)や裁判へ一人で行きたくない」へ

3 証人として法廷に立つ

結婚詐欺やロマンス詐欺などに限らず、詐欺事件では被告人が詐欺の故意(人を騙して金銭を交付させようとする意思)を否認する場合が多く、詐欺の故意を立証するために被害者の方に証人として裁判に協力してもらう場合があります。

騙された相手の裁判に出廷するのですから、相手の顔を見たくないと思われるのは当然のことですし、相手との関係性などを赤裸々に法廷で語ることになるため、傍聴人などに見られた状態で話すことには抵抗があるという方もいるでしょう。

そのような場合、被告人や傍聴人から見られないような状態で証言をすることができるように裁判所に要請することができますし、法廷ではない別の場所で証人尋問を行うように要請することもできます。

裁判に協力することになったとしても、被害者の方の負担を軽減できるような制度がありますので、どのような制度があるのか、そもそも裁判とはどのようなものなのかなど弁護士に相談して説明を受けましょう。

弁護士に依頼すれば、被害者の方のために最善の活動をしてくれます。

※被告人や傍聴人に見られたくない方、一人では心細い方は、「犯罪被害を秘密にしたい」「取調べ(事情聴取)や裁判に一人で行きたくない」へ

被害の回復

1 示談

犯人が検挙された場合、犯人側から示談の申入れがある場合があります。

示談に応じると、金銭賠償が行われるため早期に失った金銭を取り戻すことができますが、犯人が罪に問われなくなったり軽い処分になったりする可能性が出てきます。

また、示談金額のほかに様々な条件を付けることができますが、条件によっては被害者の方に不利になる場合もあります。

示談のメリット、デメリットや示談の内容が正当なものかについては、事件の内容によっても変わってきますので、示談の申入れがあった場合には、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

※詳しくは、「話し合いで解決したい(示談・和解で解決したい)」へ

2 被害回復給付金制度

結婚詐欺やロマンス詐欺などの詐欺では、詐欺グループなど組織的に詐欺を行っている場合があります。

そのような組織的に詐欺が行われている場合やマネーロンダリングが行われていた場合などは、刑事裁判で犯人からはく奪した犯罪被害財産から被害者の方に給付金を支給する制度(被害回復給付金制度)があります。

もっとも、犯人からはく奪した財産が被害額に満たない場合もあり、その場合には被害額に応じて他の被害者と按分した金額しか支給されなくなってしまいます。

また、給付金を申請する期間には制限があるため、給付を検討している場合には、制度概要も含めて弁護士に説明を受けてから申請することをお勧めします。

※詳しくは、「犯人にお金(損害賠償)を請求したい」へ

3 民事訴訟

結婚詐欺やロマンス詐欺の被害に遭った場合には、加害者に対して直接金銭賠償を請求することもできます。

その場合には、民事訴訟を提起する必要がありますが、被害や被害額の証明責任を負わされたり、時間と労力が多分にかかり、負担が多くのしかかってしまうことになりかねません。

民事訴訟の前に示談や和解で早期解決を図る方が、被害者の方の負担を減らせる場合もありますので、まずはどのような方法をとるのがよいのか、弁護士にご相談下さい。

結婚詐欺やロマンス詐欺の被害に遭われた場合、財産的にも精神的にも大きなダメージを負ってしまいます。

誰かに話をすることで少しでも気持ちが軽くなることもあります。

加害者に反省と賠償を行ってもらうためにも、一度弁護士に相談して、事件解決の力になってもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺被害に遭われた方に寄り添って一緒に事件解決を目指します。

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