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子どもが学校で盗撮被害に遭ってしまったら保護者としてどう対応すればいい? 弁護士が解説します
子どもが学校で盗撮被害に遭ってしまったら

通学先で子どもが同級生からの盗撮被害に遭ってしまった場合,保護者としてはどのような対応をとるべきでしょうか。少年事件における手続の流れにも触れながら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事例
高校2年生のAさんが通う学校の女子トイレ内で,スマートフォンが置かれるという事件が起きました。学校側が警察に通報して捜査が行われた結果,スマートフォンを置いたのはAさんの同級生であるBさんであること,押収されたスマートフォンには女子トイレの個室にいるAさんの姿が映っていたことが発覚しました。
(この参考事例はフィクションです)
参考事例の解説
盗撮行為はこれまで,各自治体が定めている迷惑行為防止条例によって処罰されてきました。令和5年からは新たに法律が施行され,いわゆる性的姿態等撮影罪として処罰されるようになりました。
参考事例におけるBさんは,女子トイレの個室内でスマートフォンによる撮影を行っているため,「人の性的な部位」を撮影したことになり,性的姿態等撮影罪が成立します。性的姿態等撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」になります(性的姿態等撮影処罰法2条1項1号イ)。性的姿態等撮影罪の詳細な解説については,こちらの記事もご参照ください。
子どもが盗撮被害に遭ってしまったら
参考事例のAさんのように,子どもが通学先で盗撮被害に遭ってしまった場合,保護者の立場として何かできることはあるでしょうか。
一つは,加害者であるBさんに対し,厳重な処分を求める旨を捜査機関に伝えることです。被害者であるAさんが未成年者の場合,当事者であるAさんはもちろん,保護者の方も警察官から話を聞かれることになります。その際に,保護者の立場から,加害者への厳重な処分を求めることができます。なお,加害者であるBさんは20歳に満たない高校生であるため,原則的には家庭裁判所で保護処分を言い渡されることになります。
もう一つは,加害者であるBさんに対して損害賠償を求めることです。犯罪被害に遭った場合は,民法に定める不法行為として,損害賠償請求を行うという選択肢もあります。損害賠償を請求するにあたっては,民事訴訟を提起することもできますし,当事者間で交渉のうえ,示談や和解で解決することもあります。
加害者側からの示談交渉
刑事事件を起こした加害者側が弁護士に依頼した場合,示談締結のために加害者側の弁護士から連絡がくる場合があります。加害者側の弁護士から提示された内容に納得ができるのであれば,示談を締結することになります。
加害者側が弁護士をつける場合,私選と国選の2通りの選択肢があります。加害者側が個別に弁護士と契約する私選の場合は,依頼をした時点から弁護士が弁護活動を行います。これに対して国選の場合は,加害者が逮捕され,その後も身体拘束が継続する勾留の決定がされたという条件が追加されます。
20歳未満の加害者が観護措置決定により少年鑑別所に送られた場合は,家庭裁判所に事件の管轄が移った後も,加害者側は国選付添人という形で弁護士をつけることができます。
加害者にアクセスがとれない場合は弁護士に相談を
加害者が勾留されず,少年鑑別所にも送られなかった場合は,私選として弁護士をつけるかどうかは加害者側の判断になります。もっとも,勾留や観護措置の決定がされなかった場合に,私選として弁護士を依頼できることを加害者側が知らないということも往々にしてあります。とりわけ,加害者が未成年者の場合,成人の場合と比較して逮捕・勾留がされにくい面があり,家庭裁判所での処分が決まるまで,加害者側に一度も弁護士がつかないということも少なくありません。
加害者側と面識がある場合は当事者同士で交渉を行う余地もありますが,加害者側の連絡先が分からない場合や,そもそも面識すらない場合には,加害者へのアクセス自体が困難な場合もあります。
このようなケースでは,被害者側でも弁護士に依頼をすることで,迅速・円滑な損害賠償請求につなげることが期待できます。被害者側で弁護士に依頼している場合,警察や検察を通じて,弁護士が加害者側の連絡先を確認することができます。既に加害者側に弁護士がついている場合でも,こちらも弁護士を窓口とすることで,より納得のいく交渉を行えるというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合事務所では,これまで刑事事件・少年事件を多数取り扱ってきた経験を活かし,犯罪被害に遭われた方の示談交渉を支援します。子どもが犯罪被害に遭ってしまった保護者の方は,まずは弊所までご相談ください。弁護士による初回の相談は無料で実施しております。
SNSによって知り合った相手から子どもが犯罪被害に遭ってしまったらどのように対応すればいい?
SNSによって知り合った相手から子どもが被害に遭ってしまったら

SNSを介して知り合った見知らぬ相手から,子どもが犯罪被害に遭ってしまった場合,保護者としてどのような対応をとるべきかについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事例
Aさんには,中学2年生になる娘のBさんがいます。ある日,AさんはBさんから「SNSを通じて知り合った成人男性のCさんと会った際に,断りきれずに性行為に応じてしまった」と相談を受けました。
(この参考事例はフィクションです)
参考事例の解説
近年は小中学生でも,スマートフォンを持つのが当たり前のようになってきました。SNSを利用することで多種多様なコミュニケーションがとれるようになった反面,未成年者が犯罪被害に遭うリスクも相対的に高くなっています。参考事例におけるBさんは,SNSを通じて知り合った相手から,不同意性交等の被害に遭っています。
成人男性であるCさんからの求めで断りきれずに性行為に応じているため,「同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難な状態(刑法177条1項)」であった可能性が高く,不同意性交等罪が成立すると考えられます。Bさんが中学2年生であるため,CさんがBさんより5歳以上年上である場合は,性行為のみでも不同意性交等罪が成立します(刑法177条3項)。不同意性交等罪の詳細な解説については,こちらの記事もご参照ください。
子どもが犯罪被害に遭ってしまったら
参考事例のBさんのように,子どもがSNSを通じた犯罪被害に遭ってしまった場合,保護者としてどのような対応をとるべきでしょうか。まず考えられることは,警察に被害届を提出することです。
被害届が受理されると,刑事事件として捜査が始まります。取調べ等を通じて証拠の収集が進んでいき,最終的に加害者の刑事処分は検察官によって決定されます。参考事例のCさんに不同意性交等罪が成立する場合,その法定刑は「5年以上の有期拘禁刑に処する」ため,不起訴処分とならない場合は,刑事裁判が開かれることになります。
犯罪被害に遭うことは,民法上の不法行為にも該当するため,刑事処罰とは別に損害賠償を求めるという選択肢も考えられます。この場合,加害者側と交渉して示談を成立させるか,加害者に対して民事訴訟を提起することになります。なお,示談を成立させて加害者への刑事処罰は求めないこともありますが,刑事処罰を求めることと損害賠償を請求することは二者択一ではないため,両方を求めることも可能です。
子どもの犯罪被害は弁護士に相談を
子どもが犯罪被害に遭ってしまった場合,警察への被害届の提出や加害者側との民事的な交渉は,保護者の方が個人で行うことも可能です。もっとも,これらの対応を個人で行うのは容易ではありません。
例えば,被害届の提出にあたっては,受理がされやすいように証拠を保全しておく必要がありますが,どのような証拠が重要かを個人で判断するのは簡単なことではありません。また,被害者として警察や検察の聴取を受けるにあたり,話すべきポイントを押さえておく必要もあります。聴取されるのが未成年者の場合は,捜査機関にうまく伝えられないことも多いため,事前の準備・対応はいっそう重要になります。
損害賠償の請求に関しても,加害者側についた弁護士との交渉を単独で行う必要があります。加害者が逮捕されていない等の理由で弁護士がついていない場合には,そもそも交渉を開始できないおそれもあります。
このような場合,被害者側からも弁護士をつけることによって,手続を不安なく円滑に進めていくことが期待できます。弁護士に依頼をすることで,被害届を提出する際に準備すべき証拠や,捜査機関からの聴取にあたって話すべきポイントについて適切な助言を得ることができます。参考事例のBさんのように,加害者が刑事裁判になる可能性が高い場合は,被害者参加という手続を行ううえでも,弁護士からのサポートが得られます。
損害賠償の請求についても,被害者側にも弁護士がつくことで,より納得のいく交渉が期待できます。参考事例のように,加害者が見知らぬ相手であっても,警察や検察を通じて加害者の連絡先を弁護士が聞くことも可能です。
弁護士法人あいち刑事事件総合事務所では,刑事事件を専門的に取り扱ってきた経験を活かし,被害に遭われた方を支援します。子どもが犯罪被害に遭ってしまった保護者の方は,まずは弊所までご相談ください。弁護士による初回の相談は,無料で実施しております。
詳しくはこちらご参照ください。
性犯罪被害者は刑事裁判の法廷でも保護されます
性犯罪被害者は刑事裁判の法廷でも保護されます

性犯罪被害者は、刑事裁判の法廷で証言しなければならなくなることに恐怖を覚えることが多いです。
そのため、被害届を出さなかったり、起訴を断念して示談に応じたりすることがあります。
しかし、最近は法改正などもあり、性犯罪被害者が法廷で証言する負担が減りました。
最初の主尋問を、事前に録画した動画で対応することができるようになりました。
対象者
・不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、不同意わいせつ等致死傷、十六歳未満の者に対する面会要求等、わいせつ・結婚目的等略取及び誘拐、わいせつ・結婚目的人身売買、被略取者引渡し等、強盗・不同意性交等及び同致死の罪又はこれらの罪の未遂罪の被害者
・児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律の罪の被害者
・犯罪の性質、供述者の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、更に公判準備又は公判期日において供述するときは精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認められる者
証拠提出方法
対象者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録した記録媒体を提出して行うことになります。
その供述がされた聴取の開始から終了に至るまでの間における供述及びその状況を記録したものに限られます。
供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、供述者の不安又は緊張を緩和することその他の供述者が十分な供述をするために必要な措置、供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、誘導をできる限り避けることその他の供述の内容に不当な影響を与えないようにするために必要な措置、が特に採られた情況の下にされたものであると認める場合であって、聴取に至るまでの情況その他の事情を考慮し相当と認めるときに、証拠とすることができます。
反対尋問
この場合において、裁判所は、その記録媒体を取り調べた後、訴訟関係人に対し、その供述者を証人として尋問する機会を与えなければなりません。
つまり、反対尋問の機会が設けられることになります。
加害者の弁護人から反対尋問を受けることになります。
しかし、法廷では被害者の名前等の個人情報は読み上げられません。
被害者を衝立で囲って加害者や傍聴人等から見られないようにされます。
もしくは、裁判所の別の部屋からリモートで参加して、やはり加害者や傍聴人等から見られないようにされます。
今後の刑事手続きについてご不安ならぜひご相談を
性犯罪に会われたら、今後の刑事手続きについて大きな不安を感じることが多いです。
加害者はきちんと逮捕・勾留されるのか、起訴されるのか、有罪になるのか、等について心配になります。
加害者から賠償はなされるのか、お金を受け取ったら刑事罰が小さくなるのか、等についても考えることが多いです。
同時に、被害者自身が、捜査で取調べを受けるのか、裁判となったら法廷に立たなければならないのか、個人情報やプライバシーが漏れてしまうのではないか、などについても大きな不安を感じることが多いです。
もしくはより積極的に、刑事裁判に被害者参加を希望し、被害者の想いを法廷で主張していきたいという人もいると思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、犯罪被害者支援に精通している弁護士が多数所属しております。
性犯罪被害者の方々のご不安に対して、一つ一つ丁寧にご説明いたします。
まずは気軽にご相談してください。
被害者の方だけでなく、ご家族も一緒に相談に来ていただけたら、一緒にご説明いたします。
加害者との被害弁償・示談交渉の進め方について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします

犯罪の被害に遭ったとき、加害者との被害弁償・示談交渉はどのように進めていけばいいのでしょうか?
知り合いとの金銭トラブルの延長上の事件などであれば、お金や物さえ戻ってくればいいという人もそれなりに多いかと思います。しかし、見ず知らずの人に無理矢理わいせつな行為をされた場合等に関しては、すぐに示談をしようと考えるとは限らず、どのように交渉を進めていったらよいのか分からない人も多いと思います。
そこで今回は参考事例を基に、示談交渉の進め方を紹介していきたいと思います。
今回は、不同意わいせつ致傷事件の事例を参考にして解説します。
1 参考事件
愛知県内に住む女性のAさんは、ある日の夜10時頃、会社から帰るために道を歩いていたところ、いきなり暴漢に襲われ、胸を揉まれる、服の中に手を入れられる、抱きつかれるなどのわいせつ行為をされ、何とかそこから逃げ出すために抵抗をしました。何とか暴漢から逃れることはできましたが、暴漢から離れるときに転んでしまい、膝に全治2週間程度のケガをしてしまいました。Aさんはすぐに警察に通報したので、付近の防犯カメラなどがスムーズに回収でき、暴漢は逮捕されました。
暴漢が逮捕された知らせが入ってから2日後、暴漢の弁護人から、賠償金の支払いや示談の話がしたいと言われました。弁護人からは、今すぐに示談に応じてくれるのであれば示談金として100万円を支払いたい、というようなことを言われています。
示談に応じると今後どうなるかよくわからなかったのもあり、Aさんはインターネットで弁護士を検索して相談に行くことにしました。
(この参考事件はフィクションです。)
2 示談で得られるもの
そもそも示談書に記載される条項は、①事実の特定②示談金③接触禁止④事件について示談後にお互い新たな主張をしないこと⑤犯人を許すこと、等の条項などが盛り込まれることが多いです。このうち、被害者側が示談をすることによるメリットは、②あるいは③になってくるでしょう。接触しない、ということについては当然と言う方もいますし、そもそも確実に担保されるかどうかもわからないという方も多いと思うので、明確な示談のメリットとしてはやはり示談金ということになるかと思います。本来、損害賠償金を得るためには民事裁判を起こして勝訴判決を得て、加害者の財産に執行をかけて回収をする等しなければならないわけですが、その損害賠償を示談の形ですぐに実現できるのも示談で得られる大きなメリットの一つです。
以下は、ひとまず、示談さえできれば基本的に示談金は直ぐに手に入ること、を示談の最大のメリットとして話を進めていきます。
3 注意したい点
まず注意したいのは、加害者側からの最初の示談金の提示は低めの金額に止まることが多いことです。実際に犯人側にお金があるか、誰がお金を出すかなど事情は様々で、相手方の弁護士が被害者側をだまそうとしていると言い切ることはできないのですが、本当に妥当な金額なのかはよく考えた方がよいです。
次に注意したいのは、示談の際に上記⑤の犯人を許す条項の追加を求められることが多い事です。たしかに、⑤のような条項を入れることによって、示談金の上乗せや、③のような条項の充実を図ることはできますが、犯人を処罰したい気持ちが強い場合は、⑤のような条項を入れるかどうかは慎重に考えた方がよいです。
最後に注意したいのは、犯人側から、すぐに示談をするように迫られることも多い事です。早く決めてください、と直接的に言われることはあまりありませんが、「検察官の処分もあるので」というようなことを電話口などで言われる可能性があります。それは犯人側の事情であって被害者側には何も関係ないのであり、検察官の処分期限があるのを良いことに示談金を抑えて示談も早く終わらせようという考えで言っている可能性があります。
しかし、示談が出来なければ今後も身体拘束が続く可能性が高く、刑事裁判にかけられて前科が付いてしまう可能性も高いわけですから、早めに示談をした方が示談金としては高い金額を得ることができる可能性は上がります。逆に、起訴されてしまって前科が付くことが確定したような場合、もはや今後示談の提案がなされることはなく、最悪1円も損害賠償金を得ることができなくなってしまうかもしれません。
そのため、被害者側として示談を行っていくにもタイミングを考える必要はあります。
ただし、起訴がされる前でさえあればまだ高額の示談金を支払うメリットはありますから、示談金を得たい気持ちが強くてもすぐに示談に応じる必要性は比較的薄いです。また、今回のような不同意わいせつ致傷の事案だと、示談をしない場合刑務所に行かなければならない可能性もありますから、裁判になった後でも比較的高額の示談金を得られる可能性があります。
上記のように、示談金の金額と、加害者側の処罰や身体拘束の長さについてはある意味トレードオフの関係にあります。示談金と、加害者側の事情については、刑事事件の知見が無ければ精度の高い計算を行うことは難しいでしょう。また、加害者側の弁護士も、刑事事件の様子を見て示談の動きを決めるわけですから、実際の事案に即した示談戦略は、刑事事件の経験が多い弁護士の方が精度が高くなると言えます。
4 弁護士による被害者支援
本件では、上記のように示談が無ければ加害者が刑務所に行く可能性が高い事件であると言えます。
そのため、比較的早い段階で示談に応じることで示談金の上乗せを狙っていくのか、あるいは示談のタイミングを遅らせて示談金と処罰のバランスを図っていくのか、というところがポイントになるかと思います。
多くの示談金を得たいのであれば早い段階から密な示談交渉を行い、バランスを重視するのであれば示談のタイミングを見極める方にエネルギーを注ぎます。
もちろん、被害者であれば、示談金でも処罰でもどちらも妥協したくない、トレードオフを受け入れるなどおかしい、というお気持ちになるのも十分わかります。当事務所では、経過に合わせて説明も詳細に行いますし、出来る限り示談金も処罰も最大限のものが得られるように尽力いたしますので、安心してご相談ください。
5 最後に
性犯罪その他の犯罪に遭われた方、被害弁償・示談交渉の進め方がよくわからない方、自分で事件の対応をするのがつらい方、示談をするなら納得いく条件で示談をしたい方、そもそも示談をすることが良いのかどうか分からないという方は、ぜひ一度被害者弁護を扱う弁護士にご相談ください。そもそも、トラブルに巻き込まれたために頭が整理が出来ておらず、何をしたらよいのかという考えにも至らない方もいらっしゃると思います。そのような場合でも、最大限お話を聞いて、最適な解決策を提案いたします。
相談に関しては無料ですので、是非一度お気軽にご相談ください。
ストーカーに対する警告・禁止命令について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします

ストーカーに対しては、警告・禁止命令制度があります。
警告・禁止命令を発することにより、更なるストーカーを抑止していくことになります。
警告
警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長である警察本部長等は、ストーカーに対して警告をすることができます。
つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をされたとして、当該つきまとい等又は位置情報無承諾取得等に係る警告を求める旨の申出を受けた場合に判断されます。
つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる行為があり、かつ、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるかを判断します。
当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、更に反復して当該行為をしてはならない旨を警告することができます。
禁止命令等
都道府県公安委員会は、ストーカーに対して禁止命令をすることができます。
つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる行為があった場合に判断されます。
当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときに命じられます。
その相手方の申出により、又は職権で、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項の禁止命令等を命ずることができます。
一 更に反復して当該行為をしてはならないこと。
二 更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項
公安委員会は、禁止命令等をしようとするときは、聴聞を行わなければなりません。
公安委員会は、禁止命令等を命ずることができる場合において、行為の相手方の身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害されることを防止するために緊急の必要があると認めるときは、聴聞又は弁明の機会の付与を行わないで、当該相手方の申出により禁止命令等をすることができます。
当該相手方の身体の安全が害されることを防止するために緊急の必要があると認めるときは、その申出により、又は職権で、禁止命令等をすることができます。
この場合において、当該禁止命令等をした公安委員会は、意見の聴取を、当該禁止命令等をした日から起算して15日以内に行わなければなりません。
禁止命令等の効力は、禁止命令等をした日から起算して1年とされます。
公安委員会は、禁止命令等をした場合において、1年の期間の経過後、当該禁止命令等を継続する必要があると認めるときは、当該禁止命令等に係る事案に関する行為の相手方の申出により、又は職権で、当該禁止命令等の有効期間を1年間延長することができます。
当該延長に係る期間の経過後、これを更に延長しようとするときも、同様です。
罰則
ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
禁止命令等に違反してストーカー行為等をした者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処されます。
ストーカー被害に会われている方は、まずは弁護士や警察等に相談してください。
個々の状況に応じて対処方法を検討することになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料相談を実施しております。
児童買春の相手方となった児童は被害者か

児童買春の相手方となった児童は被害者といえるのか、児童買春を行った大人側から示談の申入れがあった場合にどうしたらよいのかについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
児童買春とは
児童買春とは、基本的に、児童(18歳未満の者)に対して、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすることをいいます。性交等とは、性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
簡単にいうと、18歳になっていない人に対して、お金を渡す約束や実際にお金を渡してわいせつな行為をすることだといえます。
なお、16歳未満の児童に対して、お金を支払ってわいせつ行為を行った場合、児童買春ではなく「不同意わいせつ」(性交渉があれば、「不同意性交等」)という別の罪が成立することになりますので、実際には16~17歳の児童に対して行った場合のみが児童買春となります。
児童買春の相手方となった児童は被害者といえるか
児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」という法律によって禁止されています。
同法は、「児童の権利を擁護すること」を目的としており(同法1条)、日本における児童全般を保護することを目的としているといえます。
そのため、児童買春の相手方となった児童を個別に保護しているわけではないため、厳密にいうと、児童買春の相手方となった児童は法律上の「被害者」とはいえないことになります。
児童買春を行った者から示談の申入れがあった場合
児童買春を行った者から示談の申入れがあった場合には、どのように対処すべきでしょうか。
まず、法律上の被害者ではないとしても、児童の無知に乗じて買春行為を行ったといえるでしょうから、不法行為にはあたるといえます。
また、児童の保護者からすれば、親の保護下にある児童の身体を侵害したといえるでしょうから、親としてもその責任を児童買春を行った者に問うことは可能と考えるべきです。
そのため、「示談」という言い方が正しいかどうかは別として、賠償を受ける権利はあると考えることができます。
もっとも、児童買春の相手方となった児童の同意があることが前提となる犯罪ですので、賠償金はこの側面を考慮されて判断されることになります。仮に、児童の同意がなければ「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」となります。
示談する場合のメリット、デメリット
示談する場合のメリットとしては、①早期に金銭賠償を受けられること、②条件を付けることができることが挙げられます。
相手方に金銭賠償を求める場合、損害賠償請求訴訟を提起する必要がありますが、民事裁判は時間がかなりかかる上、損害の発生と損害額などの立証を訴えた側がする必要があり、労力もかなりかかります。
特に、児童買春の相手方となった児童の親が訴える場合、そもそも損害が発生しているといえるのかも問題となるため、立証活動は弁護士に依頼して行うことになり、費用もかかります。
示談であれば、そういった裁判を行う前に金銭賠償を受けることができるため、立証責任も発生せず、早期に金銭賠償を受けることができます。
また、民事裁判の判決では、「○○円を支払え」という内容のみが記載されるため、接触を禁止したり、口外を禁止したりといった条件を付けることができません。
今後、子どもに接触してほしくない場合など、安心を得るためには、条件を付けられる示談を選ぶことにメリットがあります。
示談する場合のデメリットとしては、児童買春をした大人が罪に問われなくなったり、刑罰が軽くなる可能性があることが挙げられます。
児童買春の相手方となった児童は、上述のとおり、法律上の被害者とはいえませんが、それでも実際に対象となった児童や親が許していたり、賠償を受け取っていたりすることは、有利な事情として考慮されます。
必ず不起訴になったり、刑罰が軽くなったりするということはありませんが、そういったこともありうるということは考慮に入れておくべきです。
児童買春の相手方となった児童の処分
児童買春の相手方となった児童については、罪に問われることはありませんが、補導の対象となったり、場合によっては、少年審判を受けることになる場合があります。
何件も児童買春の相手方となっていたりする場合には、虞犯少年として、少年審判を受け、少年院送致となる可能性もあります。
犯罪となっていないからといって何もしないのではなく、警察の捜査や家庭裁判所の調査を受けることになった場合には、弁護士に早期に相談するのがよいでしょう。
未成年の娘が知らない大人と性行為をしたことが発覚したら弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください

各都道府県には「青少年保護育成条例」や「青少年健全育成条例」といった名前の条例があり、真剣な交際関係にない状態で18歳未満の青少年と18歳以上の者が性的な行為をすることを禁止しています。
2023年の刑法改正で不同意性交等罪となる事件の幅が広くなりましたが、法改正前の事件が明らかになることもまだあるでしょうし、改正後でも被害者が16歳以上であれば各都道府県の青少年保護育成条例等の対象となります。
今回は、各都道府県の青少年保護育成条例等の違反になった事例を参考にして解説します。
1 参考事件
愛知県内に住むAとBの夫婦には、高校1年生で16歳の娘Cがいました。高校入学をきっかけに携帯電話を買い与えたのですが、携帯電話にアクセス制限を付けていなかったため、各種出会い系サイトやアダルトサイトにアクセスできる状態でした。ある時、高校生の娘Cが家から出かけることが多くなり、あまり勉強もしていないことが多くなりました。Cの1学期の期末テストの成績も悪かったので、AとB夫婦は、Cの夏休み中の行動には緊張感をもって注視することにしました。
Cには夏休みが半分を過ぎても勉強をしている様子は無く、携帯電話をいじっては、外に出て行くような状況でした。そこで、AとBの夫婦は、Cに対して携帯電話を見せるように言いました。Cは嫌がりましたが、AとBが「見せないなら携帯電話を解約する」と言うと、CはAとBに背を向けて何やら高速で指を動かしている様子でした。AとBは何とかCから携帯電話を取り上げ、Cの携帯電話の中身を見てみると、出会い系サイトにアクセスしている様子があり、LINEを見てみると複数の男性とのやり取りが残っていました。メッセージを始めてすぐに途切れている男性もいたようですが、メッセージが続いている男性Dとのメッセージを見てみると、性的なやり取りの内容が具体的に書いてありました。AとBがCを問い詰めると、Cはその男性Dと交際等をすることもなく複数回にわたって性行為をしていたということでした。そのため、AとBは最寄りの警察署に相談に行きました。
AとBとCは、LINEメッセージの内容を確認した警察官から、LINEメッセージ上で性行為を行った日や場所が比較的明らかな事件について被害届を出すように言われました。被害届を出してから1か月後、Dは逮捕されました。
AとBは、逮捕されたDの弁護人から、事件として立件されている性行為をDが認めた上で示談をする提案を受けましたが、示談金は10万円と納得のできない金額でした。AとBは、示談をするべきかの検討と、示談をする場合の妥当な示談金の検討のため、弁護士に相談しました。
(この参考事件はフィクションです。)
2 法律解説
【条文】愛知県青少年保護育成条例
(いん行、わいせつ行為の禁止)
第14条第1項
何人も、青少年に対して、いん行又はわいせつ行為をしてはならない。
第29条第1項 第14条第1項の規定に違反した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する
いん行又はわいせつ行為というのは、簡単に言えば単に自分の性欲を満たす目的での性行為を言います。上記のような事件で特に脅迫や暴力、拒否する間もなく性行為を行ったような状況がない場合だと、青少年保護育成条例違反が成立することになります。いん行の対象となった18歳未満の者は、一般的には被害者として扱われます。法定刑としては、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金と比較的軽くはなっています。実際、特に前科がない者が被害者と示談等をしなかった場合、多くは略式罰金刑となります。
3 弁護士による被害者支援
本件では、通信履歴とCの証言などから性行為の事実は明らかになっていること、及び加害者のDもAとBに対して示談を申し入れていることから、「性行為そのものがあったかどうか」といった問題点が発生することはないでしょう。
しかし、弁護人を通して提案される示談の内容が被害者側にとって納得いかないものになる可能性が高く、「妥当な条件が分からない」まま示談を受け入れてしまうと、納得のいく賠償が受けられなくなる可能性が高くなってしまいます。
そのような事態を防ぐために、弁護士が被害者側からの依頼を受けた場合、まずは被害者側の方の心情に寄り添って事実を確認しつつ、妥当な条件について検討いたします。そして、実際に加害者側の弁護士と交渉をし、妥当かつ被害者の方の意向が満たされるような条件に近付くように尽力いたします。場合によっては加害者側の弁護士から有利な情報を引き出して交渉していきます。
本件のように複数の性行為が行われた可能性は高いものの捜査機関の証拠収集上の都合によって1件の事件のみが立件されているような場合、加害者に特に前科が無ければ略式罰金刑で刑事事件が終結する可能性も非常に高いです。それを良いことにしているのかは不明ですが、明らかに低額な損害賠償金で示談を請求をしてくる加害者側弁護士もおります。そうなってしまうと、被害者側の方としては非常に心情を害されるとともに、妥当な条件での示談も実現しなくなる可能性もあります。納得のいく条件で示談をする、あるいは示談をするかしないかについて適確なアドバイスを受けるために、刑事事件の加害者側弁護の経験も豊富で、被害者弁護の技術にも優れている弁護士のサポートは役に立つはずです。
4 最後に
娘様が知らない大人と性行為をすることで、青少年保護育成条例違反の被害に遭われた方、警察や加害者側弁護士に対してどう対応したらよいか迷っている方、自分で事件の対応をするのがつらい方、示談をするなら納得いく条件で示談をしたい方、そもそも示談をすることが良いのかどうか分からないという方は、ぜひ一度被害者弁護を扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
一度被害者弁護を扱う弁護士に相談をすることにより、納得のいく解決の方向性が見えて来るはずです。
ストーカー被害に会われている方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください

ストーカー規制法
ストーカー犯罪については、「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に規定されております。
この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的としております。
つきまとい等
「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいいます。
一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その現に所在する場所若しくは通常所在する場所である住居等の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、文書を送付し、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
位置情報無承諾取得等
「位置情報無承諾取得等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいいます。
一 その承諾を得ないで、その所持する位置情報記録・送信装置(GPS等)により記録され、又は送信される当該位置情報記録・送信装置の位置に係る位置情報を政令で定める方法により取得すること。
二 その承諾を得ないで、その所持する物に位置情報記録・送信装置を取り付けること、位置情報記録・送信装置を取り付けた物を交付することその他その移動に伴い位置情報記録・送信装置を移動し得る状態にする行為として政令で定める行為をすること。
ストーカー行為
「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等を反復してすることをいいます。
つきまとい等については、第一号から第四号まで及び第五号(電子メールの送信等に係る部分に限る。)に掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限ります。
何人も、つきまとい等又は位置情報無承諾取得等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはなりません。
ストーカー行為をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
ストーカー被害に会ったらすぐにご相談ください
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ストーカー被害に遭われた方からの相談を、随時受け付けております。
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不同意性交等致傷、不同意わいせつ致傷での立件
自分や家族が不同意性交等致傷や不同意わいせつの被害に遭ったけれども、特段ケガをした形跡は無い。しかし、事件に遭ってから生活は変わってしまい、場合によっては人生が狂ってしまったとも言えるような状況になってしまった。このように感じている被害者の方も多いのではないかと思います。
今回は、不同意性交等で精神的な症状が出た場合について解説していきます。

1 参考事件
愛知県小牧市内に住む女性のAさんは、ある日、会社の上司の男性Bから、会社内の空き部屋に呼び出され、「応じなければ会社にいられない」等とも脅されたため、断り切れずに性交をしてしまいました。
その後、Aさんは精神や身体の不調を感じ、会社を休職するような事態になりました。不審に思った会社が動いたため、上記のような性行為の事実が明らかになり、Bは無期限謹慎を受けることになりました。Aさんが警察に被害届を出すと、数日後にBは警察に逮捕されました。
(この参考事件はフィクションです。)
2 法律上の論点
上記事例については、Aが「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること」「により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて」を認識しつつBがAと性交を行ったのはほとんど明らかであるため(刑法177条1項,同法176条1項8号)、捜査や公判でも大きな障害なくBを不同意性交等罪で処罰してくことができるでしょう。不同意性交等罪で立件するだけであれば、警察や検察が捜査や起訴をためらうようなこともないでしょう。
問題としては、上記の行為によって、精神的な症状が引き起こされ、不同意性交等致傷罪での立件が可能であるか、というところになります。不同意性交等致傷罪での立件には、不同意性交等と精神的症状の因果関係が必要になります。精神的症状については、外から確認することができないので、不同意性交等との因果関係の立証が困難になる傾向があります。
3 不同意性交等致傷での立件のメリット
まず、不同意性交等致傷での立件のメリットとしては、加害者を重い罪で罰することができる事になります。不同意性交等のみでの処罰だと、法定刑は5年以下の懲役ですが(刑法177条1項)、特に初犯であれば酌量減軽がされることもあり、実際には懲役4年程度になることもあります。示談もしないで執行猶予になることまでは考えにくいですが、被害者側の立場からしたら納得はしづらいでしょう。
ただし、不同意性交等致傷については法定刑が6年以上の懲役あるいは無期懲役となります(刑法181条2項)。無期懲役になるケースは稀でしょうが、7年から8年程度の懲役となるケースは珍しくありません。被害者側の立場からすれば、ある程度は納得もしやすいでしょう。
もう一つの大きなメリットとしては、損害賠償金や示談金が高額になる傾向にあることです。民事裁判などで認められる損害賠償金も大きくなるのはもちろん、処罰が重くなるので高額な示談提案も出やすくなります。
4 不同意性交等致傷が認められるハードル
精神的な症状で不同意性交等致傷が認められる場合、代表的なものがPTSD(心的外傷後ストレス障害)です。これに関しては、事件を公訴時効にかけないためにPTSDの発症を認めた可能性もある裁判例(https://www.sankei.com/article/20220908-JNEVNBF2DRNILLIJTR3LI46ITY/)があるなど、訴訟上の都合から認められるのではないかという疑いもあるのですが、基本的には致傷結果の証明も厳格に行われるべきであるとされています。とくに、PTSDでの不同意性交等致傷については、先述の通り外見から判定することも出来ないので、立証のハードルは高くないと言えます。具体的に立証のハードルといえる主なものは以下です。
・具体的な基準があること
PTSDになった原因と思われる出来事の重大性などのほか、実際の生活や認知の状態にどのような変化があったのかが問題となります。診断基準が具体的に定められており、その診断基準に当てはまるかどうかがまず問題になります。
・審理が長期化すること
PTSDになったことや、事件との因果関係の証明のために、実際に診断や鑑定に当たった医師が法廷で証言する必要が生じることが多いです。また、事件が裁判員裁判になるほか、加害者側からの控訴がされる可能性も高くなります。
・被害者として尋問に立たなければならなくなる可能性も高くなること
具体的にどのような状況の変化が起きたのかなどについて、被害者様の調書等が不同意とされることも多いです。刑事訴訟法改正が進んでおり、法廷での証言についてはだいぶ負担が少なくなるようにはなっておりますが、それでも負担が大きいのは変わらないと言えます。
5 不同意性交等の被害に遭った方は一度弁護士にご相談ください。
不同意性交等の被害に遭われた方、納得いく処罰を実現し、納得のいく損害賠償金の獲得を目指されたい方は、ぜひ一度被害者弁護を扱う弁護士にご相談ください。
もちろん、トラブルに巻き込まれたために頭の整理が出来ておらず、何をしたらよいのかという考えにも至らない方もいらっしゃると思います。そのような場合でも、最大限お話を聞いて、最適な解決策を提案いたします。
相談に関しては無料ですので、是非一度お気軽にご相談ください(https://higaisya-bengo.com/soudan/)。
性犯罪被害者は刑事裁判の法廷でも保護されます
性犯罪の被害に遭ってしまった場合、刑事裁判の法廷で証言しなければならなくなることは、被害者の方にとって大きな負担となります。
実際に、法廷での証言を回避するために被害届を出すことを断念したり、示談に応じざるを得ないということもあります。
しかし、最近は法改正によって、性犯罪被害者が法廷で証言をする負担が緩和される傾向にあり、証言のうち主尋問にあたる部分を、事前に録画した動画で対応することができるようになりました。

対象者
令和5年に行われた刑事訴訟法の改正によって、性犯罪被害者が証言する負担が一定の条件のもとで緩和されることになりました(刑事訴訟法321条の3)。対象となるのは、以下に記す性犯罪被害者等になります。性犯罪被害に限定されるわけではありません。
・不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、不同意わいせつ等致死傷、十六歳未満の者に対する面会要求等、わいせつ・結婚目的等略取及び誘拐、わいせつ・結婚目的人身売買、被略取者引渡し等、強盗・不同意性交等及び同致死の罪又はこれらの罪の未遂罪の被害者
・児童福祉法、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律の罪の被害者
・犯罪の性質、供述者の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、更に公判準備又は公判期日において供述するときは精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認められる者
証拠提出方法
対象者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録した記録媒体を提出して行うことになります。
その供述がされた聴取の開始から終了に至るまでの間における供述及びその状況を記録したものに限られます。
供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、供述者の不安又は緊張を緩和することその他の供述者が十分な供述をするために必要な措置、供述者の年齢、心身の状態その他の特性に応じ、誘導をできる限り避けることその他の供述の内容に不当な影響を与えないようにするために必要な措置、が特に採られた情況の下にされたものであると認める場合であって、聴取に至るまでの情況その他の事情を考慮し相当と認めるときに、証拠とすることができます。性犯罪被害であれば無条件に認められるわけではないことには注意が必要です。
反対尋問
この場合において、裁判所は、その記録媒体を取り調べた後、訴訟関係人に対し、その供述者を証人として尋問する機会を与えなければなりません。
つまり、反対尋問の機会が設けられる、加害者側の弁護人から反対尋問を受けることになります。反対尋問も含めた公判(刑事裁判)の流れについては、こちらもご参照ください。https://tokyo-keijibengosi.com/kouhan_flow/
しかし、法廷では被害者の名前等の個人情報は読み上げられません。
他にも、被害者を衝立で囲って加害者や傍聴人等から見られないようにされます。
もしくは、裁判所の別の部屋からリモートで参加して、やはり加害者や傍聴人等から見られないようにされます。法廷における犯罪被害者保護の具体的な内容については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/hanzaihigai_himitu/
今後の刑事手続についてご不安ならぜひご相談を
性犯罪被害に遭ってしまった場合、今後の刑事手続に対して大きな不安を感じるはずです。
加害者はきちんと逮捕・勾留されるのか、起訴されるのか、有罪になるのか、といったことについて心配になると思います。
加害者から賠償はなされるのか、お金を受け取ったら刑事罰が小さくなるのか、といったことについても考えることが多いです。
同時に、被害者自身が、捜査で取調べを受けるのか、裁判となったら法廷に立たなければならないのか、個人情報やプライバシーが漏れてしまうのではないか、などについても大きな不安を感じることが多いです。
もしくはより積極的に、刑事裁判に被害者参加を希望し、被害者の想いを法廷で主張していきたいという人もいると思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、犯罪被害者支援に精通している弁護士が多数所属しております。
性犯罪被害者の方々のご不安に対して、一つ一つ丁寧にご説明いたします。
まずは気軽にご相談してください。
被害者の方だけでなく、ご家族の方も一緒に相談にお越しいただけましたら、ご一緒に説明いたします。
