「弁護士の援助を受けたいけど、お金が…」という被害者等の方も多いと思います。
そのような方に向けて、法テラスを利用した以下の制度が設けられています。
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犯罪被害者法律援助制度(日弁連委託援助事業)
刑事裁判、少年審判等の手続き、行政手続きに関する活動の際に、弁護士費用等を援助する制度です。
主な援助対象
- 弁護士による法律相談
- 告訴・告発、被害届の提出
- 取調べ(事情聴取)への同行
- 法廷傍聴・証人尋問・意見陳述の付添い
- 刑事記録の閲覧・コピー
- 加害者側弁護士への対応(示談・刑事和解の交渉)
- マスコミ対応
※民事法律扶助制度が利用できる場合には、行えないものがあります。
※刑事手続きが終了している場合の示談は、刑事事件への関与がないため、犯罪被害者法律援助制度は利用できません。その場合は、民事法律扶助制度を利用することになります。
利用要件
- 対象者
・生命、身体、自由又は性的自由に対する犯罪(殺人、傷害、監禁、不同意わいせつ(旧強制わいせつ)等)
・配偶者暴力(DV被害)
・ストーカー行為
→これらの犯罪行為による被害者又はその親族若しくはご遺族の方
※原則として、窃盗罪や詐欺罪等の財産犯被害は対象外ですが、例外的に援助の対象となる場合があります。 - 資力要件
・申込者の資力(現金、預金等の流動資産の合計額)から、被害に遭われた犯罪行為を原因として、申込日から1年以内に支出することとなると認められる費用の額(治療費等)を差し引いた額が300万円未満であること
※上記基準を満たさない場合でも、やむを得ない事情により生計が困難と認められる場合は、援助の対象となる場合があります。 - 弁護士に依頼する必要性及び相当性があること
留意点
- 被害者の方が現実に利益を得た場合、被害者の方のご負担で受任弁護士に成功報酬を支払うこともあります。
- 利用申し込みについては、相談を担当した弁護士が「利用要件を満たす」と判断した場合に限り認められていますので、まずは弁護士にご相談ください。
被害者参加の場合の国選被害者参加弁護士制度
刑事弁護の国選弁護人に近い形で被害者の方は弁護士の援助を受けられます。
利用要件
- 対象事件
※被害者参加が認められた全ての事件
① 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪(殺人、傷害等)
② 性犯罪(不同意わいせつ(旧強制わいせつ)、不同意性交等(旧強制性交等、強姦)等)
③ 逮捕、監禁の罪
④ 略取、誘拐、人身売買の罪
⑤ 業務上過失致死傷、過失運転致死傷の罪
⑥ ②~⑤の犯罪行為を含む罪
⑦ ①~⑥の未遂罪 - 対象者
※被害者参加が認められた方
① 対象犯罪の被害者等
② 当該被害者の法定代理人
③ ①又は②の者から委託を受けた弁護士 - 資力要件
・申込者の資力(現金、預金等の流動資産の合計額)から、被害に遭われた犯罪行為を原因として、国選被害者参加弁護士の選定請求の日から6か月以内に支出することとなると認められる費用の額(治療費等)を差し引いた額が200万円未満であること
※なお、上記の基準を満たさない場合でも、やむを得ない事情により生計が困難と認められる場合は、援助の対象となる場合があります。
選定手続きの流れ
- 裁判所に対し、法テラスを経由して国選被害者参加弁護士の選定を請求します。
民事法律扶助制度
民事裁判等手続きに関する援助として、無料の法律相談、裁判費用や弁護士・司法書士費用の立替えを行う制度です。
主な援助対象(刑事事件との関係で)
- 刑事事件終了後の示談交渉
- 損害賠償請求(損害賠償命令制度も含む)
- DV被害に対する裁判所への保護命令の申立て
利用要件
- 資力が一定額以下であること
※金額はお住まいの都道府県・市区町村により異なります。 - 勝訴の見込みがないといえないこと
- 民事法律扶助の趣旨に適すること
・報復のため等の場合は対象外です。
留意点
- あくまで立替えですので、原則として毎月費用の償還(支払い)が必要となります。
- 代理援助・書類作成援助の場合には、要件の確認が別途必要になります。
法テラスによる法律扶助は、全ての法律事務所が対象となるわけではありません。ご注意ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回相談は無料です。ご相談だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。