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【制度解説】被害者参加制度とは
被害者参加制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 被害者参加制度の概要
日本では、ひと昔前、被害者は、刑事事件の手続上、証拠の一つにすぎないとされてきました。
しかし、平成19年6月の刑事訴訟法改正によって、被害者参加制度が創設され、一定の犯罪については、被害者が独自の立場として、刑事訴訟(つまり、既に起訴されている事件)に関与することができるようになりました。刑事裁判の流れについては、こちらの記事もご参照ください。https://sendai-keijibengosi.com/kouhannogaiyou/
2 被害者参加の対象事件
被害者参加ができる事件については、刑事訴訟法316条の33第1項各号に列挙されており、次のとおりです。
① 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪(殺人、傷害など)
② 刑法176条から179条の罪(不同意わいせつ、不同意性交など)
③ 逮捕・監禁(刑法220条)の罪
④ 略取・誘拐・人身売買(刑法224条~227条)の罪
⑤ 業務上過失致死傷・重過失致死傷(刑法211条)の罪
⑥ 上記②~⑤の犯罪行為を含む罪(強盗・不同意性交等、特別公務員職権乱用など)
⑦ 過失運転致死傷等(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律4条、5条、6条3項、6条4項)の罪
⑧ 上記①~⑥の罪の未遂罪
大まかにいえば、人の生命・身体・自由に重大な侵害を加える犯罪が対象となります。
3 被害者参加でできること
刑事訴訟に被害者参加することによってできることとしては、
① 公判期日への出席(刑事訴訟法316条の34)
② 検察官に対する意見申述(刑事訴訟法316条の35)
③ 証人尋問(刑事訴訟法316条の36)
④ 被告人質問(刑事訴訟法316条の37)
⑤ 事実又は法律の適用についての意見陳述(被害者論告)(刑事訴訟法316条の38)
があります。
もっとも、たとえば、証人尋問に関しては、質問できる事柄や質問の時期に制約あるなど、実際の事案で具体的にどのようなことができるのかは簡単に分かるものとはなっていません。被害者参加制度については別記事でも紹介していますので、ご参照ください。https://higaisya-bengo.com/keijisaiban_sanka/
4 被害者参加をするにあたって
先ほどお話ししたように、被害者参加をするといっても、実際にどのようなことができるかは事案によって様々です。
犯罪被害に遭われた方が抱いている思いも様々で、被害者参加をすることによって、そうした思いを少しでも叶えることができるか、弁護士に一度相談してみる必要があります。
また、被害者参加をするにあたっては、当然、事件内容を把握する必要がありますが、そのために、検察庁にて事件記録を閲覧することになります。
もっとも、たとえば、その事案において証拠とされているものが、どのような意味をもっているのか一見して分かるとは限りません。
そうすると、事件内容を把握するためにも、法律的なサポートというのは欠かせません。
被害者参加をし、刑事訴訟に関与していくという場合には、検察官との打ち合わせや裁判所との情報共有が必要になってくることも予想されます。
さらに、犯罪被害に遭われた方にとっては、法廷で被告人に質問をしたり、意見を述べること自体、大きな負担となります。
こうしたことも、弁護士が代わりに行うことによって、犯罪被害に遭われた方の精神的負担を軽減しつつ、刑事訴訟に関与していくということも、弁護士の大事な使命だと考えられます。
その他、被害者参加以外にも、刑事手続においては、たとえば、捜査機関からの事情聴取や加害者側から示談交渉のための連絡が来るなど、様々な場面で対応が求められます。
5 最後に
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、犯罪被害に遭われた方への様々な支援を行っています。刑事訴訟へ関与していきたいと考えている方は、初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
家族を交通事故で亡くしてしまったら
家族を交通事故で亡くしてしまった場合、大きな悲しみが生じると同時に、被害者遺族は民事・刑事の両面で対応する必要に迫られます。簡単に気持ちを切り替えられるようなことではありませんが、対応をおざなりにしてしまうと、遺族としては納得のできない形で終わってしまうおそれがあります。そのような事態になれば、理不尽な悔しい気持ちや苦しみを長く抱えていくことになってしまいます。
弁護士として活動していると、そのような被害者遺族の方とお会いすることも少なくありません。もう少し早く弁護士に相談していただいていれば、と思うこともあります。
今回は、交通死亡事故での被害者遺族が対応する民事・刑事上の問題について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

民事賠償
交通事故で家族が亡くなってしまった場合、まずは民事の損害賠償の問題が生じます。加害者が任意保険に加入していたら、保険会社と賠償の交渉となります。この場合、保険会社は賠償金を出来るだけ低くしようと交渉してくる可能性があるので、遺族も弁護士を立てて、毅然と交渉する必要があります。
また、この保険会社からの賠償とは別に、加害者が弁護士を通じて示談を申し込んでくることがあります。謝罪と慰謝料・お見舞金の支払いがなされ、示談が成立すると、加害者の刑事処分が軽くなる可能性が出てきます。この交渉に対しても、被害者遺族は弁護士を立てて、内容面の検討も含めて慎重に対応した方がいいと思われます。
難しい専門的な判断が求められますので、この問題に精通した弁護士を選ぶべきです。
刑事裁判への被害者参加
加害者に過失・不注意が認められたら、起訴されて刑事裁判となる可能性があります。死亡事故によって加害者に成立し得る罪名については、こちらの記事もご参照ください。https://sapporo-keijibengosi.com/zinsinziko/
この刑事裁判では、遺族は被害者として参加することができます。特に、加害者が普段から交通違反を繰り返していたり、飲酒運転をしていたり、無謀運転をしていたり、轢き逃げをしたりした場合、遺族は加害者に対して大人しく黙っていることができない心境になります。
そこで、被害者として刑事裁判に参加し、いろいろな活動をすることが考えられます。被害者だけで参加することもできますが、きちんとした活動ができるように、弁護士を立てて参加するべきです。
被害者は、傍聴席でなく、法廷内の検察官の近くの椅子に座って参加する事ができます。被害者は、加害者側の証人に対して、尋問をすることができます。加害者はどんな人物なのか、事故が起きた背景、事故が起きた後の対応、今後の監督、等について尋問することが考えられます。
被害者は、加害者に対して質問することができます。事故そのものについて、事故が起きた背景、反省や謝罪、今後の対応、等について質問することが考えられます。
被害者は、被害に関する心情その他の事件に関する意見の陳述をすることができます。被害者遺族としての、今現在の気持ち・考えを語ることができます。
手続の最後には、事実又は法律の適用について意見を陳述することができます。つまり、加害者に対してどれぐらいの刑罰を与えるべきか等を主張することができます。この事実又は法律の適用についての意見は、証拠としては採用されませんが、被害者遺族としての思いを訴えることができます。加害者の刑事裁判に関与できる手段については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/keijisaiban_sanka/
死亡事故が起きてしまった場合は弁護士へ相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通死亡事故の被害者遺族の民事・刑事の弁護活動に精通した弁護士が所属しております。家族に死亡事故が起きてしまった場合は、お早めにご相談してください。対応が遅れると、加害者側のペースに乗ってしまい、最終的に遺族の納得できない形で終わってしまう可能性があります。
初回の相談は無料かつ電話でお受けしておりますので、03-5989-0892までお電話してください。懇切丁寧にご説明させていただきます。
【報道解説】営業秘密が不正取得されたため損害賠償請求
営業秘密の不正取得に関する報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 報道の内容
「かっぱ寿司」の運営会社「カッパ・クリエイト」の前社長が営業秘密を不正に取得したとして、回転ずしチェーンなどを展開する「ゼンショーホールディングス(HD)」の子会社はま寿司は27日、カッパ社や前社長らに5億円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴した。ゼンショーHDが発表した。
カッパ社の田辺公己前社長(47)はゼンショーHD幹部だった2020年、商品原価データなどの営業秘密を不正に取得したとして不正競争防止法違反(営業秘密領得など)の罪に問われ、懲役3年、執行猶予4年、罰金200万円の判決が確定している。
ゼンショーHDによると、事件の捜査や刑事裁判の過程で、持ち出されたデータがカッパ社内で使用されていたほか、同じコロワイドグループのコロワイドMDにも開示されていたことが分かった。はま寿司各店舗の損益計算書や売上高なども不正取得され、カッパ社に開示されていたことを確認したとしている。
ゼンショーHDは損害額を63億円以上と算出した。
(令和5年12月27日 共同通信/Yahoo!ニュース https://news.yahoo.co.jp/articles/93f8f98623dc3bcaad258572c8326ab36ec69698)
2 営業秘密の不正取得
報道において、カッパ・クリエイト社の元社長は、不正競争防止法違反(営業秘密領得など)の罪に問われ、懲役3年、執行猶予4年、罰金200万円の判決が確定しているとされています。
不正競争防止法は、不正競争を防止するなどによって、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律です。
「営業秘密」とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」をいい、商品原価データなどは「営業秘密」に当たります。
そして、報道で指摘されている営業秘密領得とは、不正の利益を得る目的で、又はその営業秘密保有者に損害を加える目的で、人を欺いたり、暴行や脅迫をしたり、財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為などにより、営業秘密を取得することをいいます(不正競争防止法21条1項1号)。
カッパ・クリエイト社の元社長が具体的にどのような方法によったかは、報道では指摘されていませんが、上記のような営業秘密領得に該当する場合、10年以下の懲役もしくは2000万円以下の罰金(または罰金を併科)とされています。
3 損害賠償請求・代理人活動
報道において、カッパ・クリエイト社の元社長は、既に、その刑事責任に関する処分がなされており、その上で、「はま寿司」は、カッパ・クリエイト社や元社長らに対し、5億円の損害賠償請求をしています。
これは、はま寿司がカッパ・クリエイト社等に対し、民事責任を追及するものです。
そもそも民事責任を追及しようと民事訴訟を起こす場合、請求する側が証拠に基づいて主張する必要があります。
どのような証拠に基づき、どのような主張をする必要があるかについては、法律的な観点が必要になります。
特に、不正競争防止法に関する損害賠償請求の場合、請求の相手方が、故意・過失によって不正競争を行い、他人の営業上の利益を侵害したことを主張していく必要があります(同法4条)。
さらに、不正競争防止法には、損害額を推定する規定(同法5条1項)など特別な規定もあり、弁護士のサポートというのは必要不可欠ともいえます。
このように、営業秘密領得の被害を受けた会社は、その加害者側に刑事処分が下された後でも、生じた損害の回復を目指すなど、状況に応じた対応が求められます。
4 最後に
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、不正競争防止法違反の被害に遭われた方への支援を行っています。初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
学校内でのいじめ被害と弁護士によるサポート
学校内でいじめによる被害を受けてしまった場合、弁護士が行える被害者支援について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。主に刑事事件化と損害賠償請求という、2つの局面において行えるサポートをご紹介しますので、いじめによる被害にお悩みの方や保護者の方は、ぜひ本記事をご参照ください。

参考事例
高校生のAさんは、クラスメイトのBさん(17歳)が中心となっているグループから、事あるごとにからかわれたり暴力を振るわれたりしていました。Bさんたちの行動は次第にエスカレートしていき、とうとう金銭の要求までされるようになりました。Aさんはクラス担任に相談したものの、「自分たちで話し合って解決するように」と言われるだけで、学校側は具体的な対応をしてくれませんでした。
(この参考事例はフィクションです)
いじめと刑事事件の関係性
一口にいじめと言っても、その内容は様々です。参考事例のAさんのように、暴力や暴言、金銭の要求がされることもあれば、集団で無視をする、SNS上で誹謗中傷を行うといった場合もあります。
いじめと呼ばれる行為の多くは、犯罪に該当しています。例えば、参考事例のAさんがされた金銭の要求は、恐喝罪(刑法249条1項)やその未遂(同法251条)に該当する可能性が高いといえます。犯罪が行われたのであれば、加害者の処分は刑事手続に則って決められることになります。
参考事例のBさんは17歳なため、20歳未満の者が対象となる少年法が適用されます(少年法2条1項)。警察による捜査の段階で逮捕などの身体拘束がされうることは20歳以上の場合と同様ですが、家庭裁判所に送致された後は、観護措置によって少年鑑別所に収容される、刑事処分ではなく保護処分を受けるといった、少年事件特有の手続がとられます。少年事件の流れについては、こちらの記事もご参照ください(https://sendai-keijibengosi.com/syounensinpan/)。
いじめが持つ特有の問題
このように、いじめも内容によっては犯罪に該当しますが、通常の刑事事件と異なり、特有の問題を抱えています。その問題は大別して2つあります。
1つは、被害者からいじめの申告や相談があっても、風評などを恐れた学校側が、事実解明や加害生徒の処分に向けての動きをためらい、具体的な対応をとってくれないことです。
被害生徒に寄り添い、加害者に対して毅然とした対応をとる学校ももちろんありますが、残念ながら参考事例のAさんのように、学校側がまともに取り合ってくれないこともあります。学校側が早期に適切な対応をとらなかったことで、被害生徒が追い詰められて、より深刻な事態に陥ってしまうことも決して少なくありません。
学校内でのいじめ被害が持つもう1つの問題は、いじめ自体が秘密裏に行われ、表沙汰になりにくいことです。そのため、犯罪の証拠を集めることが難しく、警察に被害届を受理してもらうことが困難なケースもあります。
いじめが持つ問題については、こちらの記事もご参照ください(https://higaisya-bengo.com/jikenbetu_ijime/)。
弁護士による刑事事件化のサポート
いじめが犯罪に該当しても、警察へ被害の申告をしないことには、刑事手続が開始しません。いじめによる被害の場合、参考事例のAさんのように学校がまともに取り合ってくれないことで諦めてしまい、警察への被害の申告も断念してしまうことがあります。また、警察に被害届を出そうにも、どのように事情を説明すればよいか、どういった証拠を集めておく必要があるかといった不安もあると思います。
このような時こそ、弁護士に相談することが重要です。被害者支援の経験が豊富な弁護士であれば、被害に遭った生徒の心情に配慮しつつ、事実関係を詳細に聞き取ったうえで、警察への被害届や刑事告訴が受理されるよう、書面の作成や事情聴取時のアドバイスを行うことができます。
刑事事件化を行うことで、学校側も加害者生徒に対する処分等に動かざるを得なくなるといったケースも多いです。
弁護士による損害賠償請求サポート
いじめの加害者には、刑事手続を通じて法的責任を負わせるだけでなく、金銭的な損害賠償を求めることもできます。恐喝のように、ずばり金銭的被害を受けている場合はもちろん、傷害罪のように医療機関への通院が必要だった場合や、それ以外にも広く精神的損害としての慰謝料を求めることができます。
損害賠償請求は当事者間でも行えますが、加害者側と直接やりとりを行うことは、大きな負担になります。また、損害賠償を支払う義務は一部の例外的な場合を除いて加害者生徒自身に課せられるため、弁償できるだけの資力がないことも考えられます。
このような場合も、弁護士による被害者支援が期待できます。弁護士がいれば、加害者側との交渉を一任できるほか、適切な賠償を求めていくことができます。加害生徒本人に弁償の資力がなくても、その保護者も含めた示談を成立させれば、適切な額の弁償を受けることも期待できます。
加害者から示談の申し入れがあったら
犯罪被害に遭ってしまった後、加害者本人や加害者の弁護人から示談の申し入れがあった場合、どのような対応をとるべきかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事例
Aさん(女性)は、近所に住むBさん(男性)と会って話していた際に、不意にBさんから抱き着かれました。Aさんは驚きましたが、Bさんが近所に住んでいることもあり、抱き着かれたことは誰にも話しませんでした。1週間ほど経ってから、Bさんから「この間のことは申し訳なかった。大事になってしまうと困るので、示談にしてほしい」という申し入れがありました。
(この参考事例はフィクションです)
参考事例の解説
不意に抱き着いたBさんは、「暴行(刑法176条1項1号)」によって、Aさんが「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為(同項本文)」をしています。また、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない(同項5号)」状況でわいせつ行為に及んだともいえます。
そのため、Bさんには不同意わいせつ罪が成立する可能性があります。証拠の有無にもよりますが、Aさんが出した被害届を警察が受理した場合、Bさんに対する捜査が行われます。Bさんは警察による取調べを受けるほか、場合によっては、逮捕や勾留といった身体拘束を伴うこともあります。
不同意わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の拘禁刑(刑法176条1項本文)」です。罰金刑は定められていないため、検察官が起訴した以上は、Bさんは刑事裁判にかけられます。不同意わいせつ罪の解説については、こちらの記事もご参照ください。
https://sendai-keijibengosi.com/kyouseiwaisetuzai_jyunkyouseiwaisetuzai/
示談が持つ意味
示談という言葉に法律上の正式な定義があるわけではありませんが、刑事事件に関して、被害者と加害者の間で、損害賠償などの取り決めを行うことを指します。場合によっては、被害届を出さない、あるいは既に出した被害届を取下げるといった、加害者の刑事処分に関わる事項について合意することもあります。
ひとたび有効に成立した示談は、当事者双方を法的に拘束します。例えば、示談金の支払い義務とその上限額を定めた場合、加害者は上限額までの支払い義務は負いますが、同時に、被害者からそれ以上の額を請求することはできないことになります。示談についてはこちらの記事でも解説していますので、ご参照ください。https://higaisya-bengo.com/jidan_wakai_kaiketu/
加害者側からの示談の申し入れ
示談を締結すること自体は、弁護士が間に入らなくても可能です。そのため、参考事例のAさんのように、加害者から直接、示談の申し入れがくることもあり得ます。また、既に加害者が勾留されているような場合は、加害者についた弁護人から連絡がくることもあります。
先ほども触れたとおり、示談は加害者の刑事処分や損害賠償に関して、重大な影響をもたらすことになります。加害者側から提示された条件が納得できるものであれば、そのまま合意して示談を締結することもよいですが、条件に納得がいかない場合や、この条件で本当によいのかと不安な場合は、被害者側でも弁護士をつけた方が無難です。
弁護士がついた場合、被害者の代理人として示談交渉を行うため、加害者側と直接やりとりをしなくて済みます。特に、加害者本人が直接示談を申し入れてきた場合には、二次加害を防ぐためにも、被害者の側も弁護士をつけた方がよいといえます。
加害者からの連絡があった場合は弁護士に相談を
被害者の側でも弁護士に依頼をして示談交渉を行う場合は、被害者支援の経験が豊富な弁護士に頼むのが望ましいといえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで刑事事件を中心に取り扱ってきた経験を活かし、示談交渉のポイントを押さえつつ、被害者の方の心情や意向に配慮した対応に努めます。弁護士による初回の電話相談は無料で行っていますので、示談交渉についてお悩みの場合は、まずは弊所までお電話ください。
【事例解説】ひき逃げの被害者になったら…
ひき逃げの被害者になった場合について、参考事例に基づいて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 参考事例
東京都に住む女性Xさん(45歳)は、仕事から帰宅する途中、後ろから来た自動車にはねられ、怪我を負いました。
Xさんをはねた自動車の運転手Aさんは、一度停止しましたが、自動車から降りることなく、そのまま現場から逃走しました。
(参考にした報道:令和5年12月14日 FNNプライムオンライン https://www.fnn.jp/articles/-/629929)
2 加害者Aさんの刑事責任について
加害者であるAさんは、交通事故を起こしているため、負傷者であるXさんを救護する(たとえば救急車を呼ぶ)など必要と考えられる措置を講ずる義務があります(救護義務と呼ばれます。道路交通法72条1項前段)。
それにもかかわらず、Aさんは、Xさんを救護することなく、その場から逃走しているため、道路交通法117条1項に違反し、5年以下の懲役または50万円以下の罰金の範囲で、その刑事責任を問われることになります。
また、交通事故を起こした場合において、その場に警察官がいないときは、直ちに最寄りの警察署に事故を起こした旨などを報告する義務があります(報告義務。道路交通法72条1項後段)。
Aさんは、そうした報告も行っていないことから、報告義務違反として、道路交通法119条1項10号に違反する罪も成立します。
その法定刑は、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金です。
さらに、Aさんに、事故を起こしたことについて不注意があった場合、過失によって、Xさんに怪我を負わせていることから、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条)が成立します。
その法定刑は、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金です。
3 被害者Xさんとしてすべきこと・代理人活動について
Xさんは、怪我をしていますので、当然ですが、病院にて検査や治療を受ける必要があります。
参考事例では、怪我の程度が明らかになっていませんが、その程度によっては、治療費が高額になるケースもあります。
最終的には、加害者であるAさんに請求をしていくということになりますが、Aさんが逃亡しているため、いつ頃、AさんやAさんの保険会社と賠償の話ができるか分かりません。
そのような場合には、Xさんが加入している保険がある場合、その保険で一旦まかなうことができないか、弁護士によるアドバイスを受けながら、保険会社と話をしていく必要があります。保険会社との対応については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/jikenbetu_jiko_higai/
また、Xさんは、刑事事件における被害者ですので、警察や検察での事情聴取に対応することになります。
その際にも、具体的な事案に応じて、弁護士のアドバイスを受けながら、必要な話しをしていく必要があります。
捜査機関の言われるままに供述調書が作成された場合、Aさんの刑事責任に関する場面でも、賠償を請求する場面においても、影響が及ぶ可能性もあります。
それから、仮に、Aさんが検挙された場合、Aさん側から、謝罪や示談についての連絡があることが予想されます。
まず、弁護士がAさん側との連絡の窓口となることができます。
その上で、謝罪や示談を受けるか判断する際には、その意味合いや金額について、その内容を十分に検討した上で、対応していく必要があります。
示談交渉の場面では、金額の交渉もする必要があります。
Aさんとの間で示談をしなかった場合、最終的には、民事訴訟を起こし、賠償を求めていく必要があります。
このように、一連の流れの中で、被害者であるXさんも様々な対応を求められ、そこには弁護士のサポートが必要になってくることが考えられます。
4 最後に
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通事故やひき逃げの被害に遭われた方への支援を行っています。初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
風俗店での仕事中に盗撮された場合の相談
風俗店に勤務している方がサービス中の様子を男性客に盗撮された場合、性的姿態等撮影罪等の犯罪が成立し、刑事告訴や損害賠償請求が可能なことがあります。

1 参考事件
Aさん(女性)は、とある風俗店に在籍しており、今日も男性客に対してサービスを行っていました。風俗店はファッションヘルスと言われるもので、お店を構えて性的なサービスを提供するものになります。具体的には、女性従業員が衣服を脱いだ状態で、プレイルームなどと言われる密室で男性客の性器を刺激する等のサービスを行っています。
男性客Bの接客を始めたのですが、男性客Bが外してプレイルーム内に置いた腕時計の形が何となくいびつであり、サービスを行うベッドの方に文字盤を向けているような状態だったため、少し不審に思いましたが何もないだろうと思ってシャワーを浴び、サービスに入りました。
Aさんが全裸でBに対してサービスをしている最中、何となくBさんが腕時計を気にしている素振りがあったこと、サービス終了時に素早く腕時計を回収する等の様子からいよいよ不信感が高まり、風俗店の男性従業員を呼んで腕時計を確認したところ、実は腕時計は腕時計型盗撮カメラでした。
店舗事務所で腕時計型盗撮カメラの内部の映像を確認したところ、Aさんが全裸で性的サービスをしている映像が記録されていて、Bの顔も鮮明に映っていました。
直ぐに警察に通報し、Bは逮捕されたようですが、後に釈放され、警察の取調べを受けるようになりました。
(この参考事件はフィクションです。)
2 法律解説
性的姿態等撮影罪
参考事件で、Bがした行為は、Aさんが全裸で性的サービスを提供する姿を撮影する行為であり、「わいせつな行為又は性交等(略)がされている間における人の姿態」を撮影しているといえるため、「性的姿態等撮影罪」に当たる可能性が高いです。
性的姿態等撮影罪とは、令和5年に施行された性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第2条に規定する罪であり、法定刑は三年以下の拘禁刑(令和7年5月までは、懲役刑)または罰金三〇〇万円以下に当たる罪になります。
もともと、盗撮行為自体は各都道府県の条例で規制されていましたが、全国的に犯罪成立要件のばらつきをなくし、厳罰化するために、性的姿態等撮影罪が新設されました。性的姿態等撮影罪については、こちらの記事もご参照ください。https://keiji-bengosi.com/tosatsu_nozoki/
【条文】性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第2条
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
本件では、風速店の男性客Bは、自分の性的な興味のために、Aさんが全裸で性的サービスをしている状況を撮影しているので、特に「正当な理由」はありません。
また、特にAさんに承諾を得るでもなく、腕時計に偽装されたカメラで撮影を行っているので、「ひそかに」撮影したという要件も問題なく満たされます。
Bの行為には、性的姿態等撮影罪が成立します。
3 弁護士による被害者支援
本件では、被害に遭った後にすぐに警察に通報し、盗撮された動画も警察が確保しているので、「被害届や告訴状を警察が受け付けてくれない」と言った問題は発生しにくいでしょう。
しかし、被害者の方が警察の取調べに行くことができないなどと言った状況になると、Aさんに刑罰を受けさせるための手続が進まなくなる可能性があります。
そういったことを防ぐために、弁護士としては、被害者の方の心情に寄り添って、事実を確認しつつ、必要であれば取調べに付き添うなどし、被害者の方がしっかりと取調べを受けることができるように全力でサポートさせて頂きます。取調べへの立ち合いについては、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/torisirabe_hitoride/
特に、刑事事件の経験が豊富で、警察や加害者の考えをよく知っている弁護士がサポートすることで、被害者の方としては特に心強くなることでしょう。
また、本件のような盗撮、性的姿態等撮影事件のような性犯罪の事件では、加害者が性犯罪での前科をつけることを嫌う傾向にあることから、加害者の弁護士から示談の申し出を受けることもありますし、被害者側から損害賠償の請求を行うことも考えられるでしょう。
加害者側から示談の申入れがある場合は、加害者と直接やりとりする必要は無いわけですが、自分で対応をするのはなかなかつらいものですし、加害者側弁護士も示談交渉には慣れていることが考えられ、自分が納得いかない示談をすることになるかも知れません。
刑事事件の加害者側弁護の経験も豊富で、被害者弁護の技術にも優れている弁護士のサポートを受ければ、納得がいかない内容で示談をすることを防ぎ、納得のいく示談金、示談条件を獲得できる可能性も上がります。
特に、参考事件のような場合だと、性的行為の状態をそのまま撮影されていること、加害者としても風俗店利用中の行為について処罰されるのを嫌うと考えられることから、交渉次第では比較的高額の示談金と、より有利な示談条件を獲得できるかもしれません。
4 最後に
盗撮の被害に遭われた方、警察、加害者側弁護士に対してどう対応したらよいか迷っている方、自分で事件の対応をするのがつらい方、示談をするなら納得いく条件で示談をしたい方は、ぜひ一度被害者弁護を扱う弁護士にご相談ください。
また、風俗店等の運営関係者の方で、店舗で盗撮事件が発生し、従業員のために弁護士を付けることを検討されている方も、是非被害者弁護を扱う弁護士にご相談ください。
一度被害者弁護を扱う弁護士に相談をすることにより、より良い解決の方向性が見える可能性が高まることでしょう。
【報道解説】元従業員の顧客情報の持ち出し
元従業員が顧客情報を持ち出したという報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

1 報道の内容
勤務していた事務所から顧客の情報を持ち出した疑いで元社員の40代の税理士補助の男が逮捕されました。
不正競争防止法違反疑いで逮捕されたのは、静岡県富士市三ツ沢に住む税理士補助の男(47)です。
警察によりますと、男は2023年4月頃、当時の勤務先だった富士市内の税理士事務所で、60の事業者の顧客情報をUSBなどに複製し、持ち出した疑いがもたれています。
事件は、男が仕事を辞めた後の5月に、被害を受けた事務所が警察に相談したことで発覚しました。
男によって持ち出された情報による被害の有無などは現在調査中だということです。
(令和5年11月27日 静岡放送(SBS)Yahoo!ニュース より抜粋https://news.yahoo.co.jp/articles/ea3def710c20e7ce03448831834c223f3f16f6f1)
2 不正競争防止法とは
不正競争防止法は、不正競争を防止するなどによって、国民経済の健全な発展に寄与することを目的とした法律です。
どのような行為が「不正競争」にあたるかは、不正競争防止法2条1項に書かれています。
今回の報道で問題となるのは、「営業秘密」(同法2条6項)です。
「営業秘密」とは、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」をいい、顧客情報は、この「営業秘密」に該当すると考えられます。
3 顧客情報の持ち出し―加害者側の刑事責任
報道の事件では、当時の勤務先の事務所から顧客情報を持ち出した容疑となっています。
この男性がいた職場で、男性が顧客情報を取り扱うことができる業務に就いていましたが、事務所内から顧客情報を持ち出すことを禁止していたという場合、この男性は、「営業秘密を営業秘密保有者から示された者」として、不正の利益を得る目的や事務所に損害を加える目的があるとき、不正競争防止法21条1項3号に違反し、10年以下の懲役または2000万円以下の罰金(もしくは併科)の範囲で刑事責任を問われる可能性があります。
なお、具体的な事情によっては、適用される罰条が変わる可能性があります。
4 被害者側における代理人活動
まず、報道のような、不正競争防止法違反の事案における被害者となった場合、被害者側としては、捜査機関から捜査協力の依頼や事情聴取を受けることが考えられます。
その際には、弁護士のアドバイスを踏まえて、対応していくことが重要になってきます。
また、報道の事件では、既に刑事事件化しているため、加害者側の弁護人から、被害者側へ示談交渉の連絡が来る可能性があります。
示談に応じるか、応じるとしてもどのような内容であれば応じるかについては、具体的な事案を踏まえて、慎重に検討する必要があり、この点にも弁護士のサポートの必要性があります。
加害者側との間で示談をせず、民事訴訟を提起するという方法も検討する必要があります。損害賠償の請求については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/isyaryou_songaibaisyoiu/
民事訴訟となった場合のメリット、デメリットを想定し判断していく必要があります。
さらに、不正競争防止法においては、「不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。」とされ、差止請求というものもあります(同法3条1項)。
手続も一般の方には馴染みのない手続となりますので、こうした手続を採ることを考えた場合、弁護士のサポートは不可欠のように思われます。
5 最後に
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、不正競争防止法違反の被害に遭われた方への支援を行っています。初回の相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
性犯罪の被害に遭ってしまったら

性犯罪に関する処罰規定の改正動向や、弁護士による被害者支援について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
性犯罪に関する被害者保護の動向
これまで、性犯罪被害者の多くが、泣き寝入りをしてきました。被害を第三者に相談しづらい苦痛、証拠が少ないから警察に訴えてもまともに扱ってもらえないかもしれないという不安、被害を受けたことが一般の人に知られるのが怖い、といった理由からです。
しかし、被害者を保護するために、近年は性犯罪に関する規定や制度が大きく変わりました。性犯罪に遭ってしまった場合は、速やかに警察と弁護士に相談しましょう。
性犯罪が成立しやすくなりました
これまでは、強制わいせつ罪や強制性交等罪において、暴行や脅迫の有無が問題とされてきました。加害者も、相手の同意があった、同意があると思っていた、と主張し、犯罪の成立を争うことが多かったのです。
しかし、性犯罪に関する規定ついて法改正があり、状況は大きく変わりました。まず、必ずしも暴行や脅迫がなくても犯罪が成立するようになりました。
そして、被害者が同意していないと評価される範囲が広がりました。加害者が安易に、相手の同意があった、同意があると思っていた、と主張しても、以前よりも通用しなくなったのです。
不同意わいせつ罪
不同意わいせつにおいては、次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑となります。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、不同意わいせつ罪が成立します。
16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、原則として不同意わいせつ罪が成立します。不同意わいせつ罪については、こちらの記事もご参照ください。https://sapporo-keijibengosi.com/kyouseiwaisetu/
不同意性交等罪
不同意性交等罪においては、不同意わいせつ罪の各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部若しくは物を挿入する行為であってわいせつなものである性交等をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑となります。
行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、不同意性交等罪となります。
16歳未満の者に対し、性交等をした者も、不同意性交等罪が成立します。
被害者のプライバシーは守られます
警察や弁護士に事件を伝えても、被害者の個人情報が勝手に公表されたりはしません。住所・電話番号・勤務先等は、加害者や一般の人が知られないように扱われます。
起訴されて刑事裁判となっても、法廷で被害者の名前は読み上げられないようにすることができます。
被害者が法廷で証言することになっても、衝立が設置されたり、他の部屋からモニターで行われたりして、加害者や傍聴人に見られることもありません。
このように、捜査・公判を問わずに、被害者のプライバシーが守られるように配慮されています。被害者のプライバシー保護については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/hanzaihigai_himitu/
刑罰や損害賠償以外にも加害者に約束させることができます
場合によっては、加害者から被害者へ、示談が申し込まれることがあります。金銭的な解決をメインとした交渉となりますが、示談が成立することで、加害者の刑事処分が軽くなる可能性もあります。
加害者との示談においては、二度と被害者に近づかないこと、電話やSNS等も含めて被害者に接触しないこと、被害者が被害に遭ったことなどを第三者に言いふらさないこと、といった約束も含めて交渉することができます。
将来的な不安を出来るだけ小さくするために、被害者の意向を確認して、弁護士を通じて交渉することになります。
刑事裁判における損害賠償の請求
状況次第では、加害者側との示談交渉の形ではなく、刑事裁判を通じて損害賠償を請求することもあります。被害者が別途、民事裁判を起こさなくてもよい損害賠償命令という制度があるため、対象となる事件の場合は、被害者の負担を軽くすることができます。
損害賠償命令では刑事裁判で提出された証拠が使うことができ、刑事裁判の裁判官がそのまま損害賠償についても判断するので、早期の解決につながることがあります。
早期に警察と弁護士へ相談を
性犯罪の被害に遭ってしまった場合、その苦痛や負担は計り知れません。警察も弁護士も、そのような苦しみを抱えている被害者の方のために、全力でサポートいたします。
性犯罪の被害に遭ってしまった場合は、速やかに警察と弁護士に相談してください。今すべきことや今後の手続の流れについて、懇切丁寧にご説明します。
ストーカー被害に遭ってしまったら
ストーカー被害に遭ってしまった場合、早期に弁護士に依頼することで、さらなる被害を防止するための対策がとれます。弁護士に依頼することでどのような対策がとれるかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

参考事件
Aさんは以前に交際していたBさんから、自宅の近くで待ち伏せをされたり、SNSでメッセージを送られたりすることが続いていました。Aさんは最寄りの警察署に行って被害の相談をしましたが、警察からは「実害が出ているわけでもないので、次にまた何かあったら警察まで連絡してください」と言われてしまいました。
(この参考事件はフィクションです)
ストーカー規制法が定める処罰の対象
ストーカー規制法(正式には「ストーカー行為等の規制等に関する法律」といいます)は「つきまとい等」又は「位置情報無承諾取得等」と、「ストーカー行為」を規制の対象としています。「つきまとい等」についてはストーカー規制法2条1項が定義を示しており、具体例として「つきまとい、待ち伏せ、押し掛け、うろつき(同項1号)」、「監視していると告げる(同項2号)」、「拒否しているにもかかわらず行う電話、電子メール、SNSメッセージ(同項5号)」などが挙げられています。
「位置情報無承諾取得等」の定義は、ストーカー規制法2条3項が定めています。具体的には、無断で車にGPS機器を取り付けるといったものがあります(同項2号)。
「ストーカー行為」とは、同一の者に対して「つきまとい等」又は「位置情報無承諾取得等」を繰り返して行うことを指します(同法2条4項)。ストーカー規制法の規制対象となる行為については、警視庁のサイトでも紹介されているため、ご参照ください。
(https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kurashi/higai/dv/kiseho.html)
つきまといやストーカー事件の特徴
Bさんの行為は、ストーカー規制法が定める「つきまとい等」や「ストーカー行為」に該当する可能性が高いといえます。そのため、Bさんには刑罰(ストーカー規制法18条)が科されたり、禁止命令(同法5条1項)が言い渡されたりすることが考えられます。
もっとも、警察に被害を相談しても、参考事件のAさんのように、実害が出ていないことを理由に、すぐには被害届の受理や禁止命令の発動に至らないことも少なくありません。つきまといやストーカー行為はエスカレートしやすいという問題があり、次に実害が出た時点では、取り返しのつかないことになっていることも考えられます。
弁護士による被害者支援でさらなる被害を防止
つきまといやストーカー行為の被害に遭ってしまった場合、早期に弁護士に依頼をすることで、さらなる被害を防止するための対策がとれます。
まず、弁護士が被害状況の聴取を行って書面を作成することで、警察による被害届の受理や禁止命令の発動を促すことが考えられます。加害者の行為がつきまといやストーカー行為の要件を満たしていること、既に実害が出ていることを、法律の専門家である弁護士が適格に指摘することで、捜査機関による対応を求めていきます。
また、加害者の住所や連絡先が判明している場合、弁護士が加害者と直接対応することも考えられます。加害者との交渉の中で、つきまといやストーカー行為に対する損害賠償を求めることもできますし、法的に拘束力が生じる形で、被害者の方への接触や連絡を禁止させることを約束させることも可能になります。加害者からのさらなるつきまといやストーカー被害を防止するための対応としては、こちらの記事もご参照ください。
(https://higaisya-bengo.com/kagaisya_mamotte/)
ストーカー被害に遭ったら早期に弁護士へ相談を
このように、弁護士に依頼をすることで、警察による対応を促すことや、損害賠償を求めることが可能になります。特に、弁護士を交渉窓口にすることで、被害者の方が直接、加害者とやりとりをしなくてよいことは、大きなメリットになります。
つきまといやストーカー行為の最も厄介な点は、放置してしまうことで加害者の行動がエスカレートし、深刻な被害につながってしまうおそれがあることです。反対に、早期に弁護士が間に入って加害者と直接交渉を行う、警察による対応を促すことで、深刻な被害に至る前に解決を図ることは可能です。
つきまといやストーカー行為の被害に遭ってお悩みの場合は、まずは被害者支援の経験が豊富な弁護士に相談しましょう。
