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逮捕権について
逮捕とは、罪を犯したと疑われる人(容疑者、被疑者)の身体(身柄)を拘束することをいいます。
逮捕には、通常逮捕・緊急逮捕・現行犯逮捕の3種類があります。
- 通常逮捕
裁判官が発付した逮捕状により犯人を逮捕すること - 緊急逮捕
犯人が殺人、強盗等の一定の重大犯罪を行ったと疑うに足りる充分な理由があり、逮捕状を請求する時間がない場合に、逮捕状なしで犯人を逮捕すること - 現行犯逮捕
目の前で犯罪を行った人や、犯罪を行い終わった直後の人を、逮捕状なしで逮捕すること
③現行犯逮捕の場合、警察官・検察官以外の一般の方も行えますが、①通常逮捕や②緊急逮捕の場合は、警察官・検察官といった捜査機関しか行えません。
弁護士も一般の方と同様、③現行犯逮捕の場合しか逮捕権がありません。それ以外の場合に「犯人を見つけて逮捕してほしい」と弁護士に依頼しても、弁護士は犯人を逮捕することはできないため、被害者の方の要望にお応えすることはできません。
犯人を見つけて逮捕してもらうには、逮捕権のある警察に事件捜査をしてもらう必要があるため、警察へ事件発生の通報をお願いします。
証拠収集・証拠保全
警察の中には、本当に犯罪被害があったのか分からないから、証拠を固めてから被害届や告訴状を出して欲しいと言われるなど、被害届等の受理に慎重な場合があります。そのような場合に備えて、警察が被害届等を受理してくれるよう、弁護士が証拠収集のサポートをすることは可能です。
事件発生後、被害に遭ったことを裏付ける証拠(例えば、着衣・血痕、傷痕の写真、診断書等)の早期確保が、今後の捜査の進展と大きく関わってきます。
警察官が現場に到着して採証(証拠採取)活動が開始されるまでは、現場をできるだけそのままにしておくことが望ましいです。やむを得ず現状を変更せざるを得ないときには、変更前に写真やメモを取ることによって、復元できるようにしておきましょう。
診断書に要する費用に対して、一定の要件を満たす方は公費支出も行われます。
※詳しくは、「公的補償制度を利用したい」へ
捜査開始前の段階で相談を受けた弁護士は、必要に応じて、被害者の方に証拠保全・確保の指示を行います。
捜査協力
被害者の方は、取調べ(事情聴取)や実況見分(現場検証)、証拠品の提出等、警察の捜査に協力することになります。
取調べでは、犯行の状況や犯人の様子等を詳しく聞かれます。
実況見分は、事件に遭った状況等を明らかにするために行います。被害者の方には事件状況の説明のため、立ち会っていただく場合もあります。事案解明や立証に不可欠のものですので、ある程度の時間がかかる場合もあります。
取調べや実況見分の際、一人では不安な方は弁護士が同行し、必要に応じて捜査協力に対するアドバイスを行うことも可能です。
※詳しくは、「取調べ(事情聴取)や裁判に一人で行きたくない」へ
被害者の方の所有物となっている証拠品は、保管の必要がなくなれば、速やかに返ってきます(還付)。一時的に返してもらうことも可能です(仮還付)。
また、証拠品提出の際、所有権放棄の手続きをすれば、保管の必要がなくなった後、警察で適切に処分されます。
検察庁では、被害者の方のプライバシーを損なうような写真等の証拠品を処分する際、被害者の方が当該証拠品の処分の立ち会いを希望すれば、立ち会うことができるように配慮しています。事件担当の検察官にご相談下さい。
警察の捜査対応で不安を感じた方は、被害者支援に精通した弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談下さい。被害者の方の意思を尊重した捜査をしてもらえるよう、警察に対して適切な働きかけを行います。