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子どもが学校で盗撮被害に遭ってしまったら

通学先で子どもが同級生からの盗撮被害に遭ってしまった場合,保護者としてはどのような対応をとるべきでしょうか。少年事件における手続の流れにも触れながら,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
参考事例
高校2年生のAさんが通う学校の女子トイレ内で,スマートフォンが置かれるという事件が起きました。学校側が警察に通報して捜査が行われた結果,スマートフォンを置いたのはAさんの同級生であるBさんであること,押収されたスマートフォンには女子トイレの個室にいるAさんの姿が映っていたことが発覚しました。
(この参考事例はフィクションです)
参考事例の解説
盗撮行為はこれまで,各自治体が定めている迷惑行為防止条例によって処罰されてきました。令和5年からは新たに法律が施行され,いわゆる性的姿態等撮影罪として処罰されるようになりました。
参考事例におけるBさんは,女子トイレの個室内でスマートフォンによる撮影を行っているため,「人の性的な部位」を撮影したことになり,性的姿態等撮影罪が成立します。性的姿態等撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」になります(性的姿態等撮影処罰法2条1項1号イ)。性的姿態等撮影罪の詳細な解説については,こちらの記事もご参照ください。
子どもが盗撮被害に遭ってしまったら
参考事例のAさんのように,子どもが通学先で盗撮被害に遭ってしまった場合,保護者の立場として何かできることはあるでしょうか。
一つは,加害者であるBさんに対し,厳重な処分を求める旨を捜査機関に伝えることです。被害者であるAさんが未成年者の場合,当事者であるAさんはもちろん,保護者の方も警察官から話を聞かれることになります。その際に,保護者の立場から,加害者への厳重な処分を求めることができます。なお,加害者であるBさんは20歳に満たない高校生であるため,原則的には家庭裁判所で保護処分を言い渡されることになります。
もう一つは,加害者であるBさんに対して損害賠償を求めることです。犯罪被害に遭った場合は,民法に定める不法行為として,損害賠償請求を行うという選択肢もあります。損害賠償を請求するにあたっては,民事訴訟を提起することもできますし,当事者間で交渉のうえ,示談や和解で解決することもあります。
加害者側からの示談交渉
刑事事件を起こした加害者側が弁護士に依頼した場合,示談締結のために加害者側の弁護士から連絡がくる場合があります。加害者側の弁護士から提示された内容に納得ができるのであれば,示談を締結することになります。
加害者側が弁護士をつける場合,私選と国選の2通りの選択肢があります。加害者側が個別に弁護士と契約する私選の場合は,依頼をした時点から弁護士が弁護活動を行います。これに対して国選の場合は,加害者が逮捕され,その後も身体拘束が継続する勾留の決定がされたという条件が追加されます。
20歳未満の加害者が観護措置決定により少年鑑別所に送られた場合は,家庭裁判所に事件の管轄が移った後も,加害者側は国選付添人という形で弁護士をつけることができます。
加害者にアクセスがとれない場合は弁護士に相談を
加害者が勾留されず,少年鑑別所にも送られなかった場合は,私選として弁護士をつけるかどうかは加害者側の判断になります。もっとも,勾留や観護措置の決定がされなかった場合に,私選として弁護士を依頼できることを加害者側が知らないということも往々にしてあります。とりわけ,加害者が未成年者の場合,成人の場合と比較して逮捕・勾留がされにくい面があり,家庭裁判所での処分が決まるまで,加害者側に一度も弁護士がつかないということも少なくありません。
加害者側と面識がある場合は当事者同士で交渉を行う余地もありますが,加害者側の連絡先が分からない場合や,そもそも面識すらない場合には,加害者へのアクセス自体が困難な場合もあります。
このようなケースでは,被害者側でも弁護士に依頼をすることで,迅速・円滑な損害賠償請求につなげることが期待できます。被害者側で弁護士に依頼している場合,警察や検察を通じて,弁護士が加害者側の連絡先を確認することができます。既に加害者側に弁護士がついている場合でも,こちらも弁護士を窓口とすることで,より納得のいく交渉を行えるというメリットもあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合事務所では,これまで刑事事件・少年事件を多数取り扱ってきた経験を活かし,犯罪被害に遭われた方の示談交渉を支援します。子どもが犯罪被害に遭ってしまった保護者の方は,まずは弊所までご相談ください。弁護士による初回の相談は無料で実施しております。
