子供が被害者になったときに親として出来ること

子どもの被害

自分の子供が犯罪の被害者になったときに、親としては、子供の被害について心配し、悲しみの気持ちや、激しい怒りの気持ちを覚えることになるかと思います。犯人を警察に捕まえてほしい、損害賠償金を支払わせたいなど、思うことは様々ですが、「何が出来るのか」、「何をすべきではないのか」と言ったことを理解していくことで、子供が犯罪の被害者になったときも冷静かつ的確に動くことが出来、結果的に親としての思いも実現できることになるでしょう。
今回は、子供が犯罪被害に遭ったときに親として出来ることは何か、逆にやってはいけないことは何かについて解説したいと思います。

1 親として出来ること 警察に被害を申告する。


まず真っ先に思い浮かぶのが、警察に通報する、被害届を出すなどして、警察に被害を申告することです。
可能な限りお子様を警察署に連れて行って、警察の方になるべく具体的に被害状況を説明できるようにしてください。
近年では、証拠が薄いとか、人員が足りないとか、警察沙汰にするほどのことでもないいうようなことを言って被害届を受け取らないような対応をする警察官は少なくなっていますが、それでも完全にゼロにはなっていないのが現状です。
何度も警察署に通う、お子様と話し合って言い分をまとめてみる、証拠となるようなものが無いかもう一度探してみる、といったことで、事件捜査が前に進んでいく可能性が高まります。

2 親として出来ること 被害弁償の請求をする


多くの犯罪行為は、民法上の不法行為にもあたり、被害があれば財産的損害や精神的損害等の賠償を請求できます
加害者の住所や氏名に関しても、警察署、検察庁に教えてもらうようにお願いすれば、教えてもらえる可能性があります。元々加害者が顔見知りであるような場合は、警察の捜査や裁判などで明らかになった事実を基に、裁判所に損害賠償請求訴訟を提起できます。
また、加害者の方から示談交渉を持ちかけられる場合もあります。納得のいく条件であれば示談をしてお金を支払ってもらっても良いと思います。

3 親として出来ること 精神的ダメージのケアを行う


自分の子供が犯罪の被害に遭った場合、やはり身体・財産のダメージだけでなく、精神的なダメージが出ることもあります。特に、未成年の子が被害に遭った等の場合、精神的ダメージは特に大きくなりますし、精神的ダメージの程度によっては被害に関する供述が出来ないような場合があります。
その場合、精神科の病院を探して通院させ、カウンセリング等を受けさせれば、精神的ダメージの緩和に繋がります。警察や検察の方に関しても被害者の心情には非常に配慮して取調べを行うことが多いです。また、筆者の経験上、事件の解決に向かって動いていくことが実感できると、精神的ダメージの回復に繋がっていくことがあります。

4 逆に、子供が被害にあったときに親としてやってはいけないこと


まず、親としてやってはいけないのは、無理に被害届を出そうとしたり、無理にお子様に被害事実を語らせようとすることです。既に被害に遭っているのに、自分の親に子のようなことをされては、二次被害となることがあります。あくまで、お子様の、処罰したいという気持ちがスタートであるべきです。
次にやってはいけないことは、加害者に対して直接会いに行って金銭を要求したり、殴り込みに行くようなことです。まっとうな金銭要求であれば特に犯罪にはなりませんが、恐喝との線引きは難しいです。殴り込みや暴行・傷害に関しては、やってはいけないことなのは常識なのですが、お子様が被害に遭ってしまえば、分かっていても犯罪にあたるような行為をやってしまうかもしれません。何より、警察に行く前に親だけで加害者のもとに直接向かうことで、警察が動くことを恐れて、加害者が逃げたり証拠隠滅をすることだってあります。基本的に、加害者のもとに自分だけで向かうメリットはありません

5 では、弁護士がいると何が出来るか


1に関しては、被害届を提出する場面に付き添う被害状況に関して分かりやすくまとめる法律的な問題点に関して検討をする警察の方と話し合うということをすることによって、被害届を受理しやすくすることが出来ます。警察の方々も、弁護士が付添であれば態度が変わることが多い(残念なことでもありますが)ですし、弁護士に対してであれば被害届受理に向けて何が足りないかなどを話しやすいです。
2については一般の方でも比較的分かりやすいのですが、裁判や交渉に関しては当然弁護士に任せる方が、スムーズに進みます。訴訟や交渉そのものだけでなく、特に相手方が被害者の方と面識がない場合、被害者本人よりも被害者の依頼した弁護士のほうが、加害者の連絡先を教えてもらいやすいです(弁護士は守秘義務を負う職業のため)。示談を持ち掛けられている場合、妥当な条件であるのかどうかのアドバイスも出来ますし、代理人として交渉すれば、より良い条件での示談が出来ることもあります。
3に関しては、精神科クリニックに行ったほうがよいか、どこに行けばよいかアドバイスが出来るほか、弁護士から警察や検察に対して、被害者の心情にさらに寄り添った取調べをするように申し入れをすることも出来ます。筆者の申入れによって、未成年の被害者の取調べに母親が同席することが出来るようになったこともあります。
4に関しては、弁護士に依頼をいただければ、基本的に親御様が交渉によって責任を負うことは無くなりますし、それぞれの事案にあった解決が出来るようになります。色々な加害事例や被害事例を見ている弁護士に関しては、被害に遭った子供に対してどう接するのがよいのかも理解していることが多いです。基本的に弁護士であれば、証拠隠滅や逃亡などをされないようにすべき準備もよく理解してます。

6 子供が被害に会った時はぜひ弁護士にご相談ください


ここまで、子供が被害に会ったときに出来ることやすべきでないことを紹介しましたが、あくまで一般的な話に過ぎません。犯人との関係値や、事案の性質など、出来ること、やるべきでないことは様々になります。
一度弁護士にご相談いただければ、より有効なアドバイスが出来ます。
子供が被害に遭ってお困りの親御様は、ぜひ一度弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお電話下さい。

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