学校内でのいじめ被害と弁護士によるサポート

学校内でいじめによる被害を受けてしまった場合、弁護士が行える被害者支援について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。主に刑事事件化と損害賠償請求という、2つの局面において行えるサポートをご紹介しますので、いじめによる被害にお悩みの方や保護者の方は、ぜひ本記事をご参照ください。

いじめ

参考事例

高校生のAさんは、クラスメイトのBさん(17歳)が中心となっているグループから、事あるごとにからかわれたり暴力を振るわれたりしていました。Bさんたちの行動は次第にエスカレートしていき、とうとう金銭の要求までされるようになりました。Aさんはクラス担任に相談したものの、「自分たちで話し合って解決するように」と言われるだけで、学校側は具体的な対応をしてくれませんでした。
(この参考事例はフィクションです)

いじめと刑事事件の関係性

一口にいじめと言っても、その内容は様々です。参考事例のAさんのように、暴力や暴言、金銭の要求がされることもあれば、集団で無視をする、SNS上で誹謗中傷を行うといった場合もあります。
いじめと呼ばれる行為の多くは、犯罪に該当しています。例えば、参考事例のAさんがされた金銭の要求は、恐喝罪(刑法249条1項)やその未遂(同法251条)に該当する可能性が高いといえます。犯罪が行われたのであれば、加害者の処分は刑事手続に則って決められることになります。
参考事例のBさんは17歳なため、20歳未満の者が対象となる少年法が適用されます(少年法2条1項)。警察による捜査の段階で逮捕などの身体拘束がされうることは20歳以上の場合と同様ですが、家庭裁判所に送致された後は、観護措置によって少年鑑別所に収容される、刑事処分ではなく保護処分を受けるといった、少年事件特有の手続がとられます。少年事件の流れについては、こちらの記事もご参照ください(https://sendai-keijibengosi.com/syounensinpan/)。

いじめが持つ特有の問題

このように、いじめも内容によっては犯罪に該当しますが、通常の刑事事件と異なり、特有の問題を抱えています。その問題は大別して2つあります。
1つは、被害者からいじめの申告や相談があっても、風評などを恐れた学校側が、事実解明や加害生徒の処分に向けての動きをためらい、具体的な対応をとってくれないことです。
被害生徒に寄り添い、加害者に対して毅然とした対応をとる学校ももちろんありますが、残念ながら参考事例のAさんのように、学校側がまともに取り合ってくれないこともあります。学校側が早期に適切な対応をとらなかったことで、被害生徒が追い詰められて、より深刻な事態に陥ってしまうことも決して少なくありません。
学校内でのいじめ被害が持つもう1つの問題は、いじめ自体が秘密裏に行われ、表沙汰になりにくいことです。そのため、犯罪の証拠を集めることが難しく、警察に被害届を受理してもらうことが困難なケースもあります。
いじめが持つ問題については、こちらの記事もご参照ください(https://higaisya-bengo.com/jikenbetu_ijime/)。

弁護士による刑事事件化のサポート

いじめが犯罪に該当しても、警察へ被害の申告をしないことには、刑事手続が開始しません。いじめによる被害の場合、参考事例のAさんのように学校がまともに取り合ってくれないことで諦めてしまい、警察への被害の申告も断念してしまうことがあります。また、警察に被害届を出そうにも、どのように事情を説明すればよいか、どういった証拠を集めておく必要があるかといった不安もあると思います。
このような時こそ、弁護士に相談することが重要です。被害者支援の経験が豊富な弁護士であれば、被害に遭った生徒の心情に配慮しつつ、事実関係を詳細に聞き取ったうえで、警察への被害届や刑事告訴が受理されるよう、書面の作成や事情聴取時のアドバイスを行うことができます。
刑事事件化を行うことで、学校側も加害者生徒に対する処分等に動かざるを得なくなるといったケースも多いです。

弁護士による損害賠償請求サポート

いじめの加害者には、刑事手続を通じて法的責任を負わせるだけでなく、金銭的な損害賠償を求めることもできます。恐喝のように、ずばり金銭的被害を受けている場合はもちろん、傷害罪のように医療機関への通院が必要だった場合や、それ以外にも広く精神的損害としての慰謝料を求めることができます。
損害賠償請求は当事者間でも行えますが、加害者側と直接やりとりを行うことは、大きな負担になります。また、損害賠償を支払う義務は一部の例外的な場合を除いて加害者生徒自身に課せられるため、弁償できるだけの資力がないことも考えられます。
このような場合も、弁護士による被害者支援が期待できます。弁護士がいれば、加害者側との交渉を一任できるほか、適切な賠償を求めていくことができます。加害生徒本人に弁償の資力がなくても、その保護者も含めた示談を成立させれば、適切な額の弁償を受けることも期待できます。

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