不同意わいせつ罪の被害を相談。被害届の受理や示談交渉といった弁護士による被害者支援

不同意わいせつ罪の被害に遭ってしまった場合、弁護士が行える被害者支援について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

悩む女性

参考事件
Aさんは職場の上司であるBさんに誘われ、仕事終わりに2人で食事に出かけました。Aさんは出先で泥酔してしまったBさんをタクシーに乗せようとしましたが、その際にBさんから不意に抱き着かれました。
(この参考事件はフィクションです)

不同意わいせつ罪


参考事件でAさんがBさんにされた抱き着くという行為は、不同意わいせつ罪(刑法176条)に該当する可能性があります。不同意わいせつ罪に関する規定は、令和5年の刑法改正によって新設されています(詳細については個別記事をご覧ください。https://osaka-keijibengosi.com/rape/)。
刑法が改正される前は、わいせつ行為を罰する規定として、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪が存在していました。もっとも、強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪が適用されるには、単にわいせつ行為があっただけでは足りず、加害者による暴行や脅迫の事実、被害者の心神喪失や抗拒不能が証明される必要がありました。また、たとえ暴行や脅迫があった事実を証明できたとしても、その暴行や脅迫によって被害者の反抗が著しく困難になったという要件も求められていました。
そのため、わいせつ行為の被害に遭っていても、暴行や脅迫の事実やその程度に関する証明ができずに、警察で被害届が受理されない、検察官による起訴ができないといったケースも散見されました。
刑法改正により新設された不同意わいせつ罪は、このような弊害に対応すべく、①暴行や脅迫のように従来の強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪でも捕捉できていた場合に加えて、新たに「同意しない意思を形成し,表明し又は全うするいとまがない」(刑法176条1項5号)「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させる」(同項8号)といった行為類型を追加して罰則の対象を拡大するとともに、②「同意しない意思を形成し,表明し若しくは全うすることが困難(刑法176条1項本文)」であれば犯罪が成立するようになっています。
それゆえ、従来の強制わいせつ罪や準強制わいせつ罪では被害届の受理や検察官による起訴を断念せざるを得なかったケースでも、加害者を処罰できる可能性が拡大したといえます。

弁護士による被害者支援


もっとも、刑法176条は不同意わいせつ罪が成立する場合として複数の行為類型を列挙しているため、自分が受けた被害が果たして不同意わいせつ罪に該当するのかを判断するのは容易ではありません。警察に被害届を提出しようにも、不同意わいせつ罪の要件を満たしているかを意識して事情を説明しなければ、立件が困難だという理由で被害届が受理されないということにもなりかねません。
このような場合、弁護士による被害者支援を受けることが重要です。刑事事件の経験が豊富で、被害者支援にも長けた弁護士によるサポートを受けることができれば、被害届も受理されやすくなります。警察へ事情を説明しに行く際に、弁護士が同行することもできます。法的知識に基づいたアドバイスにとどまらず、犯罪被害に遭われた方の心情に配慮したサポートも期待できるため、一人ですべてを対応する場合と比べ、心強さには大きな差があります。
不同意わいせつ罪の罰則は「6月以上10年以下の拘禁刑に処する」と規定されています。つまり、加害者が刑事処分を受ける場合、必ず刑事裁判を行うことになります。刑事裁判の局面でも、弁護士が被害者の方をサポートできる場面は多岐にわたります。一例を挙げると、証人尋問や意見陳述のために出廷した被害者の方に同席する、判決を下す裁判官へ被害感情をしっかりと伝えるために書面の作成や代読を行うといったことが可能になります。また、検察官とのやりとりをスムーズに行う、加害者側の弁護人との示談交渉を行うといった、裁判外での対応もサポートできます。
刑事裁判が行われる場合、被告人(加害者)には必ず弁護人がつきます。これに対して、被害者には一定の場合を除き、自動的に弁護士がつくことはありません。しかし、法律の知識や制度の十分な理解がなければ、どのような手続が行われているかもよく分からないまま、気がついたときには加害者の処分が決まっているということにもなりかねません。弁護士による被害者支援の重要性はますます高まっているため、犯罪被害に遭ってしまった場合は、速やかに弁護士へ相談することが大切です。弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、犯罪被害に遭われた方へ向けた無料法律相談を実施しております(https://higaisya-bengo.com/soudan/)。まずは弊所までお電話ください。

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