被害者参加制度について

今回は、被害者参加制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

刑事裁判

被害者参加制度とは

被害者参加制度は、被害者自身が刑事裁判に当事者として参加し、証人尋問や被告人質問を行い、検察官とは別に論告・求刑を行うことができます。なお、弁護士による被害者支援は、刑事裁判の段階に限らず、裁判となる前の捜査段階からも行えます。詳しくはこちらの記事をご参照ください。https://higaisya-bengo.com/bengosi_tokucyou/

被害者参加制度の対象犯罪は、以下のとおりです。
① 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
  強盗殺人、殺人、傷害、傷害致死、遺棄等致死傷、不同意わいせつ等致死傷、強盗・不同意性交等致死、強盗致死傷、逮捕等致死傷、危険運転致死傷など
② 不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、業務上過失致死傷等、逮捕及び監禁、未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買
③ 前号に掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(第一号に掲げる罪を除く。)
④ 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱、過失運転致死傷、無免許運転による加重
⑤ 第一号から第三号までに掲げる罪の未遂罪

参加ができるのは、被害者と一部の遺族、法定代理人・両親、委託を受けた弁護士、です。
参加者は、被害者参加人、被害者参加弁護士、と呼ばれます。

被害者参加制度でできること

被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、公判期日に出席することができます。公判(刑事裁判)の流れについては、こちらの記事もご参照ください。https://sendai-keijibengosi.com/kouhannogaiyou/
検察官の横や後ろに座ることになります。
状況次第で他の人から見えないように衝立を設置することもあります。

被害者参加人又はその委託を受けた弁護士は、検察官に対し、当該被告事件についての検察官の権限の行使に関し、意見を述べることができます。
検察官と打ち合わせをしながら、進めていくことになります。

裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、申出をした者がその証人を尋問することを許すことができます。
被告人又は弁護人の意見を聴き、審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときに、認められます。
犯罪事実に関するものは除かれ、情状に関する事項についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、尋問が認められます。

裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者が被告人に対して供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すことができます。
被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であって、審理の状況、申出に係る質問をする事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときに、認められます。
情状に関する事項だけでなく、犯罪事実に関するものも含まれます。

裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、申出をした者がその意見を陳述することを許すことができます。
審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、認められます。
どれぐらいの刑罰を受けるべきか、意見を述べることができます。
しかし、意見を述べるだけで、述べたことが証拠として採用されることはありません。

また、被害者参加制度以外でも行うことができますが、裁判所は、被害者等又は当該被害者の法定代理人から、被害に関する心情その他の被告事件に関する意見の陳述の申出があるときは、公判期日において、その意見を陳述させることができます。
被害者の気持ちを述べることができます。
犯罪事実の認定のための証拠とすることはできませんが、情状に関する証拠とすることはできます。

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