性的姿態等撮影罪の被害を相談

性的姿態撮影罪被害に遭ってしまった場合、弁護士が行える被害者支援について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

盗撮

1 参考事件

女性Aさんは、とある会社で事務員の仕事をしていましたが、ある日トイレに小型カメラが仕掛けられているのを発見してしまいました。警察に通報すると、小型カメラ内に残っている動画データから、会社の上司が容疑者として浮上してきました。事情聴取の中で警察官からお話しを聞いていくと、どうやら会社の上司はAさんに好意を抱いていて、Aさんがトイレに行くのを見計らって小型カメラの設置を行っていたようで、会社の上司の自宅に置いてあるパソコンからはAさんが用を足している動画が大量に発見されました。
(この参考事件はフィクションです。)

2 法律解説

性的姿態撮影罪
参考事件で、会社の上司がAさんにした行為は、Aさんがパンツを下ろして用を足す姿を撮影する行為であり、性的姿態等撮影罪に当たります。
性的姿態等撮影罪とは、令和5年に施行された性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第2条に規定する罪であり、法定刑は三年以下の拘禁刑(令和7年5月までは、懲役刑)または罰金三〇〇万円以下に当たる罪になります。
もともと、盗撮行為自体は各都道府県の条例で規制されていましたが、全国的に犯罪成立要件のばらつきをなくし、厳罰化するために、性的姿態等撮影罪が新設されました。性的姿態撮影罪の詳細については、こちらの記事もご参照ください。https://keiji-bengosi.com/tosatsu_nozoki/

【条文】性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第2条

一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛(こう)門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分

本件では、加害者である会社の上司は、自分の性的な興味のために、Aさんの臀部、肛門、性器と言った「人の性的な部位」をAさんに気付かれない様に「ひそかに」撮影しています。性的な興味というのは「正当な理由」がないと言えますので、会社の上司の行為には性的姿態等撮影罪が成立することになります。

3 弁護士による被害者支援

今回は、警察によって盗撮動画のデータが確保されていますが、被害者の方自身が取り調べに行くことができないということになると加害者の処罰が出来ないということにもなりかねません。また、動画で被害者の方の顔がハッキリ写っていないということにもなると、もしかすると事件化できないということにもなりかねません。
そういったことを防ぐために、弁護士としては、被害者の方の心情に寄り添って、事実を確認しつつ、必要であれば取調べに付き添うなどし、被害者の方がしっかりと取調べを受けることができるように全力でサポートさせて頂きます。
特に、刑事事件の経験が豊富で、警察や加害者の考えをよく知っている弁護士がサポートすることで、被害者の方としては特に心強くなることでしょう。
また、性的姿態等撮影事件のような性犯罪の事件では、加害者の弁護士から示談の申し出を受けることもあります。
自分で性被害についての示談交渉を行うこと自体が大変つらいのはもちろん、加害者側の弁護士は法律や交渉のプロですから、自分だけで対応をすると自分が納得のいかない示談内容で示談をすることにもなりかねません。
刑事事件の加害者側弁護の経験も豊富で、被害者弁護の技術にも優れている弁護士のサポート受ければ、納得いかない示談内容で示談をすることを防ぎ、納得のいく示談金、示談条件を獲得できる可能性も上がります。刑事事件において示談がどのような意味を持っているかといった点については、こちらの記事で詳細をまとめております。https://higaisya-bengo.com/jidan_wakai_kaiketu/
特に、参考事件のような場合だと、一方的につけ狙われて多数回にわたってトイレ内での様子を盗撮されているわけですから、交渉次第では比較的高額の示談金と、より有利な示談条件を獲得できるかもしれません。

4 最後に

盗撮の被害に遭われた方、警察、加害者側弁護士に対してどう対応したらよいか迷っている方、自分で事件の対応をするのがつらい方、示談をするなら納得いく条件で示談をしたい方は、ぜひ一度被害者弁護を扱う弁護士にご相談ください。

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