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家族を交通事故で亡くしてしまった場合、大きな悲しみが生じると同時に、被害者遺族は民事・刑事の両面で対応する必要に迫られます。簡単に気持ちを切り替えられるようなことではありませんが、対応をおざなりにしてしまうと、遺族としては納得のできない形で終わってしまうおそれがあります。そのような事態になれば、理不尽な悔しい気持ちや苦しみを長く抱えていくことになってしまいます。
弁護士として活動していると、そのような被害者遺族の方とお会いすることも少なくありません。もう少し早く弁護士に相談していただいていれば、と思うこともあります。
今回は、交通死亡事故での被害者遺族が対応する民事・刑事上の問題について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。
民事賠償
交通事故で家族が亡くなってしまった場合、まずは民事の損害賠償の問題が生じます。加害者が任意保険に加入していたら、保険会社と賠償の交渉となります。この場合、保険会社は賠償金を出来るだけ低くしようと交渉してくる可能性があるので、遺族も弁護士を立てて、毅然と交渉する必要があります。
また、この保険会社からの賠償とは別に、加害者が弁護士を通じて示談を申し込んでくることがあります。謝罪と慰謝料・お見舞金の支払いがなされ、示談が成立すると、加害者の刑事処分が軽くなる可能性が出てきます。この交渉に対しても、被害者遺族は弁護士を立てて、内容面の検討も含めて慎重に対応した方がいいと思われます。
難しい専門的な判断が求められますので、この問題に精通した弁護士を選ぶべきです。
刑事裁判への被害者参加
加害者に過失・不注意が認められたら、起訴されて刑事裁判となる可能性があります。死亡事故によって加害者に成立し得る罪名については、こちらの記事もご参照ください。https://sapporo-keijibengosi.com/zinsinziko/
この刑事裁判では、遺族は被害者として参加することができます。特に、加害者が普段から交通違反を繰り返していたり、飲酒運転をしていたり、無謀運転をしていたり、轢き逃げをしたりした場合、遺族は加害者に対して大人しく黙っていることができない心境になります。
そこで、被害者として刑事裁判に参加し、いろいろな活動をすることが考えられます。被害者だけで参加することもできますが、きちんとした活動ができるように、弁護士を立てて参加するべきです。
被害者は、傍聴席でなく、法廷内の検察官の近くの椅子に座って参加する事ができます。被害者は、加害者側の証人に対して、尋問をすることができます。加害者はどんな人物なのか、事故が起きた背景、事故が起きた後の対応、今後の監督、等について尋問することが考えられます。
被害者は、加害者に対して質問することができます。事故そのものについて、事故が起きた背景、反省や謝罪、今後の対応、等について質問することが考えられます。
被害者は、被害に関する心情その他の事件に関する意見の陳述をすることができます。被害者遺族としての、今現在の気持ち・考えを語ることができます。
手続の最後には、事実又は法律の適用について意見を陳述することができます。つまり、加害者に対してどれぐらいの刑罰を与えるべきか等を主張することができます。この事実又は法律の適用についての意見は、証拠としては採用されませんが、被害者遺族としての思いを訴えることができます。加害者の刑事裁判に関与できる手段については、こちらの記事もご参照ください。https://higaisya-bengo.com/keijisaiban_sanka/
死亡事故が起きてしまった場合は弁護士へ相談を
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、交通死亡事故の被害者遺族の民事・刑事の弁護活動に精通した弁護士が所属しております。家族に死亡事故が起きてしまった場合は、お早めにご相談してください。対応が遅れると、加害者側のペースに乗ってしまい、最終的に遺族の納得できない形で終わってしまう可能性があります。
初回の相談は無料かつ電話でお受けしておりますので、03-5989-0892までお電話してください。懇切丁寧にご説明させていただきます。